第45話 出ない旅
「柴丸おはよー」
『くだらない。話は伝達しません』
「くだらなくないよー?あ!コア、すねてる?!おはよー!」
『・・・』
――くぅーーっ。きゃん!
元気よく起きた柴丸は、昨夜、クランハウスと同型の建物でダフネと同室に泊まった。あわび型の建物の中は真ん中に扉が続く通路があり、うっすらと青白い光の出る天井にツルツルと滑らかな壁、扉を開けるとワンルームのような部屋があり、ベットはウォーターベットを思わせるような水の塊だ。
――おらっ!
ぱんぱーん!
ダフネは起き掛けに両手で顔を叩き気合を入れる。
「柴丸の寝てたウォーターベットって気持ちよさそうだったねー。でも、腰痛めるって聞くしなー」
『ダンジョンマスターは腰を痛めません』
「でも、わたしは布団がすき!」
『何がいいたいんですか?』
「ダフネたち、もう町を出ちゃうんだね。観光とかすればいいのに」
――集合したな!日が落ちるまでに都につくぞ!
――まだ、カイリリが来ていません!
「はちべ栗鼠はどこに行ったんですかね。まったくしょうがない奴です」
『・・・』
――私が起こして直ぐに合流するので、出発してください!
――よし、リンリリ隊長に任せた!いくぞ!
――はい!!!
「わたし、人形の作り置きしておくから何か展開あったら呼んでね12時には戻るから!とう!」
2階の作業部屋へとポーズをきめトランポリンでジャンプする。元々、隠し部屋の入り口だった隠し通路も人通りを考えて開けっ放しの大穴になっている。最近は階段をつけるかどうかに悩み中だ。
「あっ!閃いたよ!戦隊シリーズよ!ゴレンラビットを造るしかないわ!」
柴丸の旅は続く、都に向けて、悪巧みした庄屋も悪代官も出ない旅。
そして・・・
――でたぞ!
ダフネは宝箱が出現した瞬間パカッと開く。元々、柴丸の周りに集まっているハーフエルフたちも、宝箱の出現と同時に更に近づいていく。
『罠を仕掛けたくてウズウズします』
「じゃじゃーん!柴丸印のエビフライ弁当よ!・・・ご飯は芋ご飯、それとナスのお味噌汁!もちろん柴丸のフードボウルもあるよ!」
――くうぞぉ!!
――はい!!!!
寝坊したカイリリも何食わぬ顔で、シレッと混ざって耳をぴくぴくさせている。たまは満足そうに食べるのを見てから、2階の作業部屋へ移動し作業の続きにとりかかる。
――ふあぁ~
空高く流れる雲に向かって、満腹になった柴丸があくびをする。
「コア!柴丸に何かあった?!」
2階からひょこり首だけ出して、たまがたずねる。
『何もありません』
戻って作業の続きにとりかかるが・・・
「コア!何かあった?!」
数分もしないうちに、また2階からひょこり首だけ出してたずねる。
『何もありません』
――――― ――――― ―――――
○○「あれ?ひょっとして、カースドラゴンの封印といたら都って大惨事にならね?」




