第42話 柴丸印
「柴丸がいっちゃったよー」
たまは、グスングスンと涙ぐむ。
『カースドラゴンを補足しました』
「・・・ほへ?」
たまがコアを見ると、コアの球体ボディーに柴丸のアゴと外の景色が写っている。
『予備ダンジョンコアと同期しました』
「おお?!コアすごい!コアえらい!!」
道にはまばらにギザギザの草が生え、周りに生える木々の葉は色とりどりで三角やら四角、木もサンゴの形やら螺旋の形、柴丸が歩くどの方向を眺めても、たまの知る地球の風景とは異なっている。
柴丸の首から見た目線なのでダフネたちが巨人だ。
「見慣れな過ぎて落ち着かないよ!」
柴丸が転がっている石ころを鼻でツンツンすると、石が煙を吹き出してコロコロと逃げ出す。
――きゃん?!
――ハハハッ!そいつは石ころ蟲だぞ
ダフネやハーフエルフたちが笑う。
「柴丸に帰ってくるように伝えられる?」
『はい』
コアに映る画像が乱れ始める。
「どうしたの!」
『カースドラゴンが拒絶しています。このままだと同期を切断されます』
「あー!いいの!いいの!直ぐに戻らなくていいのよー!しばらくのんびり旅行とかしたいもんね!」
コアに映る画像がクリアに戻る。たまの完全敗北である。
『たま様。いっそのことカースドラゴンの封印をといて暴れさせてはどうでしょうか?大きな災害を起こせます。幸いダンジョンから離れていますのでチャンスです』
「しないから!柴丸を使った自爆攻撃しないから!」
――あねご。その肩に担いだ大きな袋は何ですか?
ダフネは肩に白い大きな袋を担いでいる。
――これか?これは布ゴーレムだ。マジックバックには入らないからな
「あ。柴丸の食事どうしよ・・・」
たまは手を口にあてて考える。
『前にも言いましたが、魔物に食事は不要です』
「コア。なんとかならない?」
『・・・』「・・・」
『同期しているので配置できます』
「ありがとコア!そうと分かれば準備だよ!」
たまが作業部屋にしている2階へ飛び込むと、シャッシャッ、トントントン、じゅぅぅぅ、ぐつぐつと音が響きだす。
「できたー!コア。これをお願い」
?!!!
――ッ!!!
――何度もこの道を通っているが、宝箱なんてなかったぞ?
――宝箱が現れるときに首輪が光ったです!
カイリリが柴丸の首輪を指す。
――ということは、第4宝箱?いや、頃合い的には第3宝箱か?
――きゃん!
柴丸はどこ吹く風と楽しそうに走り回る。
――動かせません。ダンジョン特有の宝箱です
ピョリー副隊長が考察をのべる。
――よし!あたいが開ける。STR中上昇、DEX中上昇、VIT中上昇、異常耐性中、物理耐性中、即死回避・・・
ダフネは匂いをかいだり、舐めたりして罠がないかと獣人の勘を研ぎ澄ませ宝箱を開く。
「じゃじゃーん!柴丸印のハンバーグ弁当よ!・・・生野菜が素材になっちゃうから彩り野菜の炒め物、ご飯もなぜか素材だったからタケノコご飯、それとお味噌汁!もちろん柴丸のフードボウルもあるよ!」
――この雰囲気はドラゴンクラッシャーダンジョンですね
リンリリ隊長が考察をのべ、みんなの視線が鑑定を持つシンリリに集まる。
――はい。回復アイテムのようです
柴丸が自分用のフードボウルを見つけガツガツと食べ始める。
――よし!食うか!
――はい!!!
――おお!こいつはいいな!
――あねご。これはギャートダンジョンの下層に出るマンガニに似てませんか?私は絵でしか見たことがないのですが・・・
リンリリ隊長がたずねる。
――マンガニか?アレはあたいの太ももくらいあってかみ切るときにぶちっとなるぞ、だが、口に入った後は似てる
「コア。マンガニって?」
『これです』
ドーンとマンガ肉が現れる。
「うひょぉぉっ!!マンガ肉ぅ~!」
水色のワンピースを着た少女はドンドコドンドコとMPを吸い取りそうな踊りを踊ってマンガ肉に食らいつく。が、まったく噛み切れないのであった。
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○○「都に潜伏する吸血族を動かすか、潜伏している数少ない魔物だからね。慎重に、慎重に・・・」




