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第37話 柴丸②

 てしてし


 柴丸がダンジョンへ入った第4部隊へ次々と肉球連打を繰り出す。


 ――あいさつなのかしら?これ


 ミュリーはほわほわしている。


 ――とりあえず。危険はなさそうだ、な?


 ――ええ


 ――そろそろ、第2宝箱だしな。よし!みんな休憩するぞ!


 ――はい!!!

 ――きゃん!


 「あ?!柴丸の分も用意しないと!」


 たまは急いでボス部屋の隅に柴丸専用の宝箱を用意する。マスター空間であたえてた食べ物では素材になってしまうため、魚を焼いてほぐしたり蒸し野菜をつくって刻んだりと手間をかけていく。


 『言っても無駄なのは承知してますが、魔物に餌は不要です』


 ボス部屋に現れた宝箱は、ダフネによって開かれる。


 「じゃじゃーん!飲み物はミルクティーかミルクコーヒーでデザートは2種のまるごとフルーツ大福よ!・・・カボスとレモン。柴丸の食事は愛情たっぷりよ!」


 ――ん?部屋の隅にあるのはなんだ?


 ダフネが気づくも柴丸が一直線に駆け出し、これは俺のだとガツガツと食べ始める。そのフードボウルには柴丸の顔が描かれている。


 冒険者たちは酸っぱ甘い初めての刺激にむふーっと舌鼓を打ち、ティータイムが終わると柴丸はあくびをして眠り始める。


 柴丸を観察していた面々も、各自の作業に戻っていった。


 コアの横では引き続き警護しているシャリーとカイリリが、さっきは焦ったねと軽い会話をしている。


 ――くぅーーっ


 柴丸は眠りから覚め、蹴伸びをして立ち上がる。


 トコトコとボス部屋から出てコアの前にいく。


 ――っ?


 シャリーとカイリリをチラッと見たあと、同じようにカイリリの隣で柴丸もおすわりの姿勢でコアの護衛を行う。


 「真似してる?」


 『ダンジョンの魔物ですから、わたくしを守って当然です』


 ――妖精のささやきが・・・


 ――ああ・・・


 シャリーとカイリリは膝がプルプルするのを必死にこらえる。


 しばらくすると柴丸は、シャリーとカイリリの前をトコトコと往復する。


 「家の柴丸がかまって!かまって!してるのに何でかまってあげなのよ!」


 ――カイリリ、触ってたよね?


 ――ああ。髪より柔らかい


 ――ちょっと、行ってくるわ


 ――潰すなよ?


 シャリーはしゃがんで柴丸に手を伸ばすと、手の上にポンと手が乗せられる。シャリーの顔が緩む。


 「ほめて!柴丸をほめてあげて!お手したの!お手したの!」


 ――ミュリーさん来たぞ


 シャリーがバッと何食わぬ顔で警護の状態に戻る。


 ――今、何してたの?


 ――はっ!信頼関係を高めておりました


 「流れるように嘘ついた!モフモフだよ!モフモフ目当てだったよ?!」


 ――そ、そうね信頼関係は必要よね


 ミュリーはしゃがんで柴丸へと手を伸ばすと、手の上にポンと手が乗せられる。ミュリーの顔が緩む。


 「あっ!モフモフの欲望に負けて嘘に乗ったよ?!」


 ――――― ――――― ――――― 


 ○○「先ずは戦争だよ。戦争。戦争さえ起こせればダンジョンなんてどうにでもなるよ!」

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