第20話 ドワーフ
大盗賊団の襲撃から4日後。
――ドノフおじさま。ご無沙汰しております
――おお、ミュリー。大きくなったのー。前はこんなだったのに
ドワーフのドノフは手の平で腰くらいをしめす。
――100年くらい前の話でしょ。恥ずかしい
「わたしがちっこいからかな?ドワーフでけー。横幅でけー。髭おぉい!」
ドワーフの腹に抱きつき、たまは満足そう。
――父ぎみはご健全か?
――相変わらずです。そんな事より、ドノフおじさまを呼んだのは
――よいよい。わかっとるわ。わしにも情報網くらいあるぞ。それにしても、これがダンジョンか?いちを100日くらい探索する予定でマジックバックに詰めてきたのじゃが?
「自分の家が100日の広さだったら、迷子になっちゃうよ!」
――見てもらいたいのは、この宝箱の中身です。たまにしか出ないものなので今回でるかわかりませんが
――ふむ。見せてもらうぞ。罠はなし、仕掛けなし、鍵なしじゃな
パカッと宝箱が開けられるとゆっくりと宝箱が消失し、中身があらわになる。
「じゃじゃーん!栗鼠黄門シリーズ、第8弾、悪代官栗鼠の人形よ!」
直垂の装束に悪だくみ感がにじみ出るツラの栗鼠の人形である。オプションの装備は刀、脇差、扇子だ。
――なんじゃか、すごく叩きつけたくなる布ゴーレムじゃわい
――気をつけてください!ドノフおじさま、このダンジョンでは度々男性が妖精のささやきで赤くなっています
――ふむ。まあよい
ドノフは悪代官の顔を一瞥だけすると細かな点を確認し、腰の刀を抜きじーぃっと見続ける。
じー
じー
じー
たまは待つのにあき、バレーの白鳥の湖をドノフの周りで踊りだす。
――なるほどの
――何かわかったのですか?
――1枚に見える刃は7枚重なっておる。斬撃+50%が7枚で350%じゃな
「7枚刃!!まさかの髭剃り仕様?!」
『たま様が造ったんですよ』
――ドワーフには幻の剣という鍛冶があるんじゃがな。剣を材料に剣を鍛冶するんじゃ。そうすると斬撃+50%越えの剣ができおる
――なぜ、そんなに凄い剣が出回らないのですか?
――確かに斬撃+50%超えておるが、壊れた状態で錬金されるのじゃ。そのまま直ぐに消滅するから幻の剣よ。そして、この剣はその先があることを見せておる
指2本で剣をつまむと、ビュンビュンと剣を振る。
――小さな剣を装備している?のですか?
――どんな武器も装備できなければ鍛冶師はつとまらん。幻の剣の先あり。この情報を広めれば、ドワーフたちが次々に鍛冶に剣を使って武器不足じゃて、戦争どころじゃないのー
――ドノフおじさま!
「おじさま!」
ミュリー(とたま)がドノフに抱きつく。
――なんじゃ?100年前とかわっとらんじゃないか。ガーハハハッ!
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○○「そう簡単に戦争を回避なんてさせないよ?とはいっても、手が思いつかないよー」




