95.こそこそ
「やっぱり納得できない!」
暗い部屋の布団中、南が叫ぶ。
「あの二人の話か??」
「うわ!びっくりした!近くにいるなら言ってよ」
唐突に現れた松本に南は驚き委縮する。
「どこまでが本当のことを言っているのか・・・ってことだろ?」
「それもそうだけど・・・・」
「・・・なにか肝心なことを隠している?」
「そう」
「感?」
「感です」
「お前の感当たるからなあ」
「明恵さんが言ってたの。よくしゃべって情報をくれる人は何かを隠したかったり嘘をついていたり」
「ふーん」
二人の会話をモニター越しに眺める実。
「二人とも夜更かしして何を話しているのかと思ったら・・・ってあれ?急に親密な・・・ま、まさかこの二人・・・え!そんな・・・」
「おい、なにしてるんだ」
真がダルそうに寝巻のまま現れた。なにやら気づいたようで笑っている。
「な、なんだい兄さん、兄さんもこの二人がなにをしているか・・・」
「興味ねえよ、それよりいいのか?もうあいつらそこにいねえぜ?」
「えっまじ?」
松本と南はある場所へ走り出していた。
「しっかしスマホを盗聴器の近くに近づけてその場で会話しているのを装うなんて、さすが悪知恵が働きますなあ」
「やかましいわ。昨日昼に来ていた観光誘致の二人がポルターガイストで驚いていたのを見ただろ?」
「・・・・・とりあえず急いだほうがいいよ。もう気づかれているだろうし!あとで聞くよ!」
「ええ!!?いいとこなのに・・・」
床に置かれたスマートフォンを拾い上げる実。そばにいる真は苦笑いしている。
「ポルターガイストがスピーカーから鳴っているのであれば、電源の関係上、盗聴用の機器も近くにあると推測したわけかー。ってことは当てもなく出たわけじゃなさそうだな」
真はか細い声で実の肩を叩きながら囁く。
「・・・お・・おしおきされる」




