93.拒む村
子供たちが部屋から去ると、明恵たちは神妙な面持ちで話し始めた。
「この村に寄付をしていただけると、非常にありがたいお話なのですが・・・・」
「なんだい、よそ者を拒む村だから、まずそこから変えていかないといけないってか?えっと・・・」
「定と書いて定って読むんです。まあ村長でもどちらでも結構ですよ」
そこから村長と明恵は長い時間をかけ話した。部屋から出てきた明恵の顔に笑顔はなかった。
――――――
「父と明恵さんは村の人口減を危惧しててね。このままだと近親交配になり村の人間はいなくなってしまう」
真は首を左右に数回揺らし、頭を掻きながらあくびをする。
「よそ者・・・差別意識のイメージがあるけれど、自分たちを守るためには大切な意識ではあるからな・・・色々な人が出入りすることになったせいで伝染病や外来種、奴隷だってあり得るわけで」
松本は複雑な心境でそう話す。
「そう、明恵さんもそこを危惧していたわけなんだけど、・・・・事実は逆だったんだ」
実は南を見る。
「抗生物質がある今だからこそ治療も予防も可能だから、君たちも後日明恵さんに一応病院に連れていかれることになるだろうね」
真がそう続ける。
松本と南は顔を見合わせぞっとした表情を見せる。
「この村に災いを運んでくるものがいるから外と交流をしない・・・・この村から災いを運んでしまうから外と交流しない」
実、続けて真が立ち上がる。
「我々の村の全員が健康保菌者、死を運ぶ悪魔~♪」
急にミュージカル調になる真。
「・・・なんだかふざけて言われると、どう反応していいか困ります」




