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魔王様は手品師  作者: ゆたか
比企田天在編
89/191

89.武装

「忍々」


真は両手を組むとありがちな忍者の構えで決めポーズをする。


「うーん30点」


南はまた両手で採点をする。


「プリンより低い点数なんて酷いニンよー」


左右に揺れながら忍者の構えをし続ける真。


「むかつく!20点です!!」


テーブルに座りプリンを食べる実が真面目なトーンで話を続ける。


「どの時代でも実力のある芸人は権力者のペットとして登場します。ヨーロッパでは宮廷道化師として記録が残っています」


「・・・ペット」


南は実の横の席にゆっくり座る。


「権力者を潰すためにはまずは側近から。・・・と敵に狙われないようにするために、あえてふざけた格好や言動をしてペットのフリをしていた切れ者、実は王様がお飾りでペットのほうが本体だったなんて想像する人もいるようですよ」


南はピエロの恰好をした松本を想像して少し笑う。


「いや、変な想像すんなよ」


松本は何かを感じ南につっこむ。


「宮廷道化師の仕事は芸のみではなく、王への批判があったそうですが、それ以外にも戦地で敵陣へのかく乱をしていた」


真が割って入る。


「まあ回りくどくいっているが、よーするにだ」


「どう見ても人を楽しませるだけではないもの、神様のふりをするために使用された以外のものが文献や口承から読み取れるわけ。戦乱の世に奇術を使った戦闘を行ったものがおり、西洋では宮廷道化師、日本では忍者として記録が残っているんだろう」


「・・・・」


南は黙ったまま話を聞く。


「戦争で発明されたもの、発展したものは多いからな。缶詰、電子レンジ。音楽でさえ士気を高めるために作られたものもあるわけだし」


松本は持っていた本を指さし実のほうを見る。


「武装奇術、先生達が書いたこの本の人物たち、実在して・・・しかも今目の前にいる・・・と」


真は小さく頷き


「忍々」


「おい、シリアスなところでふざけんな」


松本は忍者の足元に本を投げ捨てた。

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