84.へんたい
「凝ったシャーマニズムの種明かしをされている気分ですよ。いやもちろん本当にそういう能力がある人もいるかもしれませんが、これは」
南は誇らしげにポーズを決める。
「いや、そんなポーズ明子さんしないから」
松本のツッコミが入る。
「演じてるときはどんな気分?演じてるつもりもない?車に乗って走っている感じ?それとも足が速くなる靴に履き替えて走っている感じ?」
「せ、先生例えの質問が難しいです、え・・っと見た目から出ている雰囲気をそのまま書き写すような」
「ほう!つまり模写していると、絵で描いているから細部まで再現することを心がけているわけですね。いやあこれは凄い」
ホワイトボードに先生が勢いよく殴り書きを始める。
「神を下す儀式は様々です。例えば昔では幻覚作用があるとわかっていなかった薬物などを接種して神と交信できると重宝されていたものもあります。ただ、それだけではこじつけるのに限界がありましたが、あなたのような存在を生で見ると、神のような振る舞いを研究し習得した者たちがいてもおかしくありません」
「神のような動きですか?」
松本は急にノートを取り出す。
「顔の表情を消して、体の動きも固く関節が少ないよう、人形になりきるという・・・・人間ではないものを見ている印象を与えるものがあります。歌舞伎や踊りにもありますね、人ではない動きは神や人外の恐怖や尊敬を与えるのです」
先生は空手のような構えを見せた。
「例えば素人の私がこう構えてもしっくりきませんが、しっくりとは一体何なのでしょう?空手を知らない相手にも圧を与えられる、そんな構えを研究し習得したものがいたとしたら・・・それは殺意さえ相手に与えられるものかもしれませんね、まあそれに・・・」
「それに・・??」
先生は少し考える。
「うーん。。すいませんねえ。私一人では決めかねることでして」
ふと先生がいる方向を見ると、部屋の壁から小さくだが足音が聞こえる。
壁はゆっくり回転し、一人の男が現れる。
「あれ?!先生が二人??」
南は持っていたローブを空中に投げ出す。
すかさず「もう一人の大先生」はローブを空中で拾い美しく着地をした。
「真、急に来ないでください。やれやれ」
南は真に近づくなりローブを奪い取り明子のポーズを取る。
「・・・!!」
真はゆっくりと鼻血を出し立ち尽くす。
「・・・ま、松本君!!へっへんたいだ!」
「・・・あ・・ああ変態先生だ!」
松本と南は勢いよく変態を指さす。




