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魔王様は手品師  作者: ゆたか
比企田天在編
76/191

76.山奥

「よ・・・ようやくたどり着いた。車に何か所か傷が出来てしまったが・・・」


松本は車を叩きながらたどり着いた達成感から笑っている。


「あのぉ。。。松本君。私たち休みをもらって休息しに来たん・・・だよね?」


松本は振り返るなり、笑顔で南に詰め寄る。


「そうだとも!ここが神仏融合のアトラクションパーク、永延寺えいえんじだ!」


「バカンス・・・バカンスが。。」


「なお!ここには効能高い超有名な温泉がある!」


「やった!行きます!楽しみだ!」


長い階段を登るとそこには。


力強い木々が生い茂る中、対照的にこじんまりとした2軒の建物がぽつりと距離を置き建てられていた。


じゃりじゃりと二人の足音が小さな虫の声をかき消しては出しを繰り返し、2軒のうち小さな建物に向かい始める。


「ぬう?何者じゃ」


素早く二人は声のしたほうへ顔を向けたつもりが、人の影はない。


「・・・・え、こ、、こわいんですけど!」


南が松本の顔を見ると顔色が悪く、さらに「後ろを見ろ」と顎で指図を繰り返す。


「見ません!見ませんもんね!」


すぐさま南の肩に大きなゴツゴツとした手が触れる。


「・・・静かに。修行中の者もおるんだ。・・・まあとりあえず家に来なさい」


抵抗する南を軽々と引きずりながら歩いていく。


「兄者、おそらくこの二人・・・」


「はいはいー♪よーこそいらっしゃいましたー!」


陽気な声が良く似合う、アロハシャツと短パン、金髪の優男が二人を出迎えた。


高価そうな金属のフレームで作られた丸メガネが辛うじて彼を知的に見せていた。

髪は短髪でボサボサ、無精ひげも生やしている。対して弟の方は見た目は体格が良く大柄、着ている袈裟はやや汚れているものの、髭はなく清潔感が感じられる。


南はじりじりと後ずさりしながら距離をとるが、逆にじりじりと距離を詰めていく松本の姿があった。


ゆっくり距離を詰めた松本は持っていたカバンから本を勢いよく取り出した。


「さ、サインをお願いします!大先生!!」

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