69.準備
「ええ??占い師相手にイカサマをしろ???!」
大きな声は店内のコーヒーを揺らすほど大きな・・・は言い過ぎたがマスターが飛び出してくるにはちょうどよい大きさだった。
「なんだなんだ?南くん、また松本くんに何かされたのか??」
「前も何かしたみたいな言い方やめてくれねえかな?」
謎の箱を片手に宣誓するよう姿勢を正し、部屋の隅に向かい松本は語る。
「あぁ。。嘆かわしい。これだけの歴代の伝説級のマジシャンやギャンブラーのテクニックを完コピしているのに゛未だ実戦経験がないペーパーギャンブラー゛だなんて。世界中にはそれだけ器用になろうともなれない人たちが沢山いるというのに、その恵まれた技術を生かすことな・・・」
「わかったわかった!とりあえず聞くからその変なキャラクターやめて!!」
満更でもない顔をしつつ内心迷惑そうに南は松本を制止する。大人しくなった松本は椅子に座るとコーヒーを一口飲み話を切り出す。
「それでは・・・・練習してもらいたいことがあるんでよろしく!!」
「・・・・おいおい、松本君。まさかと思うが違法バカラに南くんを連れて行こうとしていたりしないよな?」
頭を掻きながら不安そうに松本と南を交互に見るマスター。
「よく見るのだ諸君。今回はこのカードを使う場所に挑戦する」
手に持っていた謎のカードを開け中からカードを出す。
「タ…タロットカード」
おおよそ予想がついたのか、マスターは項垂れ始める。南の横に立ち、肩を手で優しく叩く。
「ガ・・・ガンバッテネ」
「・・・・・めちゃくちゃ不安なんですけど」
マスターの顔色に追いつくようにみるみる表情が曇る南。
「大丈夫だって、棒持って追い掛け回されたりすることはあっても、しばかれたりはしないさ」
「それワシやないか!」
マスターが松本に突っ込む。
「あ、マスターさんの知り合いなんですか?」
「松本君が考えている人物なら・・・・まあただの悪い人ではないよ(極悪人って意味で)」
「・・・・。うん。やる!やってみる」
松本からタロットカードを奪い取りカードを広げだす。
「あれ?これでもトランプよりも縦に大きいね?大丈夫かな」
「元々タロットカードはギャンブルなどの賭け事に使われていたらしいから、手に隠し持ったりできないよう、平均的な成人男性の手よりも縦に長くしたってのはありえそう。横はでかくしたものの持ちにくさから縦だけ長くした・・・まあ推測だけど」
表向きにしたタロットカードをまじまじと見ながら南は1枚のカードを抜き出す。
「見て見て!マジシャンっぽいのがいる!ローブを着てて如何にも魔法使いって感じ!」
「隠者のカードか。まあ気に入ったんならそのカードでいいか」
「??」
「このカードに加工をして、あの糞婆に一泡吹かせてやるんだ!ウヒヒヒ!」
「本当にそんな笑い方する人初めて見たかも・・・」




