67.罠
「よく売れたみたいだねえ、暴露本。その記者はいい車乗り回して北新地で有名になってたよ」
顔を覆うタバコの煙を手で払いのけると、目をしゃばしゃばさせて瞬きの数を増やした。
「占いってのは天気予報、少し勇気づけられたり少し用心したり。当たらなくても心配はしてよかった、その程度で上手く付き合っていってくれる人がどれだけいるかだねえ」
南の顔を数秒、テーブルにあるタロットカードを数秒。少し間がありため息を出す。
「・・・・うちは喫茶店じゃねえんだ、ましてや慈善事業でもねえ。何を占ってほしいだ?手品師?」
南は驚きはしたものの、すぐに納得したように声を発した。
「ああ、松本くんと一緒にきたからわかったんですか」
「違うと思うぜ?」
松本は財布から小銭を出すとテーブルに置いた。立ち上がりながら南の肩に手をやる。
顔色を悪くしながら南はその手を見つめ、目の前の老婆を見て俯く。
「あ、えーっと。占いはいいんで、このタロットカードだけ買っていきます!うわーよく見たことなかったけど説明されないと何が何を表しているのかわからないものなんですねー」
タロットカードを買うには多いであろう1万円を差し出すと南はすぐに立ち上がる。
「まちな」
大きな声に硬直した南は顔を引きつらせながら老婆に笑顔を見せる。
引きつった笑顔に不敵に笑う老婆
「説明してやるよ、タロットカードの絵について」
「・・・・・・」
「はい!喜んで!」




