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魔王様は手品師  作者: ゆたか
比企田天在編
64/191

64.はじまり

「歴史に残るような何かって、ラスプーチンやサイババみたいにでもなりたいってか?」


「はい!!!」


南は首を上下に強く振る。


「首傷めんぞ」


「即答だな。。。祭られる人の苦悩とか俺らには理解できない苦しみかもしれないんだぜ?せめてやるならミステリーサークルとか・・・チェスのトルコ人形なら」


「チェス人形?」


「さっきの江戸からくりに関係する話でもある。ゼンマイ仕掛けの機械がチェスを打つ。AIの元祖的な話」


「凄い!さっきの時計でもそうだけど、ゼンマイ仕掛けでそこまでできるなんて!」


「ってのがこの話のトリックの確信の部分」


手にあった本を見せながら松本は続ける。


「歯車とゼンマイ仕掛けのからくりはどんどん進化していっていた。これは人間のように考えたり動いたりするロボットを作れるに違いないと」


松本は本を脇に挟み、携帯を取り出し画面を指さす。


「ここに人が入り、外からは歯車しか見えないようになっていて・・・」


「えー!人が入って操作していたってこと??」


「そーいうーこと。でもこいつの凄いところはわざと複雑に作られていてゼンマイ仕掛けに詳しい人が見ても本当にそう動きそうに見せていた点だな、人の科学への期待が仕掛けに疑いをかけさせないようにもしていたってわけ、まあ本人が種を言ったわけではないから推察も多いだろうけど」


松本は南の体を上から下へ、ゆっくり見て頷く。


「よし、スーパー量子コンピューターって書いた紙を貼った段ボールの中にお前を入れて展示しよう。」


「まるでやる気ないじゃんか!真面目に考えてよ!!」


「真面目にってお前・・・お前のやりたいって言ってることもかなりぶっ飛んだ話じゃねえか」


「そう?そんなぶっ飛んだ話、ノートにびっしり書き記した人、私知ってるんですけど??」


再び顔を歪める松本。


「・・・・やっぱり見たのか」


「ふっふ」


ある日。手品の店主が不用心に開かれたままのノートを見つける。

すぐに松本の忘れ物と気づくが、中身を流し見してノートを閉じた。

後日、松本より早く店に来た南と共にノートを見る。


・・・それは奇術師の10年間の活動を記したシナリオノートだった。


「あのおっさん、ノート知らねえかと聞いてもわからねえと一言だけ。あいつが持っていやがったのか!糞糞」


「えー。でも面白いから人に見せたくなるよ。何度も書き直して念入りに計画されてたし」


「だろ?だろ?特に何と言ってもコンセプトが・・・ハッ」


おそらく人前で初めて頭を抱えたであろう松本。顔を手で覆いながら少しずつ指の隙間から南を見る。


「あーもういいよ。やってみようやってみよう。上手くいかなくても知らねーし、お前がまとわりつかなくなるなら気のすむまで付き合うよ」


南は柄にも合わずその場でガッツポーズをして飛び跳ねる。かたや松本はうなだれている。


「10年も一緒にいないといけないのは嫌だから余計な部分は省いて、まあ3年だな。3年だけ付き合ってやるよ」


「うんうん!全然大丈夫!それでまず何を今日しましょう?」


「とりあえず本を読むから邪魔しない練習から始めようか」


「・・・・はい」


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