59.変人
「で・・・・このまま長堀から西へ歩くと西大橋?なんだっけ?」
小林は進行方向を指さす。
「そうよ~。このまま西へ行けば・・・・は!希望軒!!!モスバーガー!!なんて
珍しい!!」
「住む場所によっては慣れ親しまないチェーン店かもしれないけれど億一、どれだけ食い物に目がないんだよ。。」
ふと小林の足が止まる。
「なに?小林。うんこ?」
先生は女性らしからぬ大声で小林に言い放つ。
「コバちゃんいつものやつが始まっただけじゃないですかぁ?先行ってるわよ、コバちゃん」
億一と先生は小林を置いて横断歩道を進んでいく。
賃貸住宅の店の前、大きなガラスを前に小林は腕を伸ばし出す。腕が伸びきるか否かのタイミングで声が聞こえた。
「どうしたんじゃ?」
老人?のような声に小林は顔を背けたまま返す。
「いや、外気との差でガラスが曇っているんだけど、曇っている個所と曇っていない箇所があって・・・」
小林はガラスに手をつけて少し待つ。
「ほら、ガラスに手を付けると手の周りだけが曇っていってまるでオーラが可視化されたようなー--」
小林が振り返るとそこには。左目に眼帯をした長い髭の仙人風の男が立っていた。
仙人風の男は嬉しそうに声高らかに促す。
「ほう?それで?そこから?」
「・・・・そこから?うーん。。仮にこれをビニールカーテンや透明な何かで応用できれば、教祖がいて手をかざすだけでオーラを放ったように見えたり、、ってビニールが光反射するし駄目か。あ、それなら腕だけのレインコートを着ている状態でカーテン越しに教祖がシルエットだけ見えるようにすれば・・・それだと曇らせるより光らせたほうがいいか」
小林がブツブツ一人で楽しんでいると仙人風の男は膝を床につけて小林の手を握る。
「・・・・天才だ。師匠と呼ばせてくれ!」
「・・・・はぁ?!」




