51.ギャグマジック1
「い・・・いつから光っていたんだ、電源が入っている・・・と・・いうことなのか??」
腕組みしながら小林を見るダイル、横にいたレイディがダイルの部屋のガラクタのいくつかを見せてくる。
「この筋肉トレーニングマニアさんからしたらただの金属の塊なんでしょうけど、中にはそうやって光るものがいくつか・・・」
「見た目はスマートフォンだ・・・。何かの通信機器には違いないはずなのに・・・・どうやって使えばいいんだ」
「・・・・どうやっても何も貴方からかけてきたんじゃないのぉ??!」
小林の耳にその声が届くと同時に、小林は嬉しそうな顔をして声を荒げた。
「億一!!」
「もぅ~ちょっとなんなの~?次のテレビ用のネタ、出来上がったっていうからわざわざデパートまで行ったのに、ショップは空っぽで水浸し!!」
「まぁまぁ、億一、俺もなんか凄いことに巻き込まれていてさ、お前と連絡が取れてほっとしたよ」
ーー事のあらすじを説明中ーー
「ははは!あんた、先生のところに最近来なくなったと思ったらぁ、異世界に連れ去れてたなんてアホちゃう、誰が信じんねんもう!!」
「いや本当なんだって、今その誘拐犯と変わるから」
小林は持っていたスマホを魔王の耳(?)に押し当てる。
「もしもし、魔王です。初めまして億一さん」
「いや見えへんから変わられたとて!変わられたとて、ズコッー!」
スマホをレイディに預け、ひそひそ声で話す魔法と小林。
「コバ殿、まだ数秒しか喋ってないのにキャラクターが濃すぎて限界でござる」
「俺も、、連絡とれて嬉しかったのにもうだめだ」
レイディのスマホに近づく小林、ふと静まり返っている部屋に気づく。
「あれ?億一の声がしないぞ?なんだなんだ?」
スマホを握り直す小林、再びスマホが光始める。
「なんなのよ!勝手に切って!こっちも忙しいんやけど!滑ったみたいやないの!」
プツッ
小林はレイディの手にスマホを置く。
再び持ち上げ光らせる。
「もう!!コバちゃん!!魔界でもなんでもいいから電波のいいところからかけなおしなさいよ!」
「コバ殿、これは・・・・」
「あぁ、間違いない。俺に反応して使えるようになっている。なんだこれは」
レイディが小林の持つスマホを使うジェスチャーを真似る。
「人間の村にいるものの一部はコバちゃんと同じようにこの機械を使いこなすわ、人間で魔法を使えるものと私たち魔族では魔力の違いがあるのかもしれないわぁ」
「・・・え!!ってことはひょっとして」
小林は驚きながら・・・・
「え!!ってことはコバちゃん魔法使いになっちゃったってことぉ!すんごぉい!!ワイの親友は魔法使い~♪魔法使い~♪」
億一に大切なセリフを取られた。
「しっかし、魔法が使える世界なのに機械があって、魔力でそれを使用するなんて変に聞こえるなあ、なあ億一?」
「そうかな?そもそも人間の起こす静電気だけで充電できる電池、持つだけで光るディスプレイ、人間の帯電を利用した発明の研究はまだまだ続いているから、人間から発せられるエネルギーを機械に使うことは変なことではないよ」
「な・・・なんでござるか今の早口は!!」
魔王は億一の変化に驚く。
「皆にちゃんと紹介すると、億一君のプライベートは科学オカルト大好きオタク君、でも仕事となるとおかまっぽい口調でユーモアたっぷりのお笑いマジックをする人気コメディマジシャンなのです!」
「こ・・・コメディマジック!!」
魔王の目が尊敬の目に変わる。
「ふん、ギャグマジックというわけか、どんなものかはわからんがスゴイと言えるものではない気がするがな」
ダイルは気だるそうに話グロッキーに手を伸ばす。
「グロッキーちゃーん。ご飯食べるか、よしよしよし」
「いや、そのラクーンこそギャグマジックだからな!」
小林の見事なツッコミが炸裂する。
「コバちゃん、私声しか聞こえないけどそっちの世界楽しそうね」
「憧れてんじゃねえよ!」
小林の見事なツッコミが(略
魔王城の夜が更ける。




