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魔王様は手品師  作者: ゆたか
魔界編
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37/191

37.ピンチ

「よく見ろよおおお!!このボールペンで紙に穴を開けるとぉおおお!!」


「ふはははは!!いくつ穴を開けられるかの勝負か!!コバぁあ!俺は負けんぞぉお!!」


「おいいい!!最後まで見ろ!糞〇〇〇ワニ野郎!!」


怒声が響く部屋の隅。口に手を当てて慌てる魔王。


「はわわわ。これはまたダイルが魔王城を破壊しかねないでござるよぉお!」


「そのあと壊れた部屋の修復に追われる魔王様は3日間食事抜きなのでした」


「ロッドぉおお!そういうの本当になりそうだからやめて!」


冷静にダイルとコバを見つめるレイディ。


「そうねぇ。その程度で済めばいいけれど」


はあはあ・・・はあ。


(このワニ野郎、全然人の話を聞かねえ。手品をやってきて今までこんな客は何人も会ってきたが、その中でおそらく最強クラス)


はあ・・・はあ・・・。


(むう、このコバという男。ひょろっとした外見からは想像できない筋肉が筋肉している。もしや腹筋が足先まで達しているとでもいうのか)


「レイディ、心配しすぎでござるよ。コバ殿はいつも切り抜けてきたでござる」


「それは話の通じる相手ならねぇ。今回のはコバちゃんにとって相性最悪じゃなあい?」


床に投げ捨てられた手品道具が小林の手数の多さを物語る。


「はっきり言ってピンチよぉ。さあどうする?コバちゃん?」


ダイルを見ながら小林は回想し始めていた。空の両手は強く握りしめられていた。

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