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魔王様は手品師  作者: ゆたか
魔界編
33/191

33.わにともぐら

「はあ、はあ・・・はあ!!」


廊下を全速力で走る小さな影。小さな体が大きな扉を力強く押し開ける。


「大変でし!ダイル!!大変なんでし!!!」


「あぁ?なんだ?」


2メートル近い青い体、鋭い牙を持つ額の汗はターコイズブルーに輝いている。


「筋トレの邪魔ぁすんじゃねえよ、どうしたんだ?」


黒い泉にあったであろう、様々な金属製品。それを無造作につなぎ合わせて、力任せに固めて塊にしているようだ。


「新入りのコバが!魔術師じゃなかったんでし!手品だったんでし!」


「てじな?」


筋トレをしていたダイルの手が止まる。


「な・・・なんだその、上腕二頭筋に効きそうなトレーニングメニューは?!!」


「・・・・・」


モグ太は直立したまま白目をむく。


(しまった!こいつは頭が筋肉いっぱいおバカなんだったでし・・・)


「ち・・違うでしよ、コバが今まで見せてきた凄い技には全て裏があって」


「あぁん?俺らのこの破壊的な攻撃も・・・・」


ダイルは床と壁を殴る、


「この美しい大腿直筋 、外側広筋 、内側広筋 、中間広筋 の力が裏にあるからだろう?」


「コバの力にもそんなすげえ裏があるってのかよ、なんだあ見た目以上に影でトレーニングしてやがるんだなあ見なおしたぜ!」


ダイルのトレーニングする動きに精がである。


(だ・・・駄目でし。。どこかでコピペしてきたような難しい筋肉部位は言えるくせに、なぜこうも会話が成り立たないでしか)


「もういいでし!!とにかく伝えたでしよ!!」


部屋を飛び出すモグ太。見送りながらトレーニングを続けるダイルの口元はニヤけていた。


「てじな・・・どんなトレーニングなんだ」





「・・・??レイディどうしたんだ?」


壁のほうを見ているレイディが振り返る。


「いやぁん、コバちゃん、さっきモグちゃんが外で私たちの会話を聞いていたみたいなのん」


「えっ?!駄目じゃねえか、手品の話を聞かれたってことだろう?」


焦る小林を見ながらレイディは落ち着き笑っている。


「大丈夫よコバちゃん、モグちゃんは友達が魔王様しかいないから」


「・・・な・・なんか俺もモグ太の友達になってやりたくなってきた」

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