33.わにともぐら
「はあ、はあ・・・はあ!!」
廊下を全速力で走る小さな影。小さな体が大きな扉を力強く押し開ける。
「大変でし!ダイル!!大変なんでし!!!」
「あぁ?なんだ?」
2メートル近い青い体、鋭い牙を持つ額の汗はターコイズブルーに輝いている。
「筋トレの邪魔ぁすんじゃねえよ、どうしたんだ?」
黒い泉にあったであろう、様々な金属製品。それを無造作につなぎ合わせて、力任せに固めて塊にしているようだ。
「新入りのコバが!魔術師じゃなかったんでし!手品だったんでし!」
「てじな?」
筋トレをしていたダイルの手が止まる。
「な・・・なんだその、上腕二頭筋に効きそうなトレーニングメニューは?!!」
「・・・・・」
モグ太は直立したまま白目をむく。
(しまった!こいつは頭が筋肉いっぱいおバカなんだったでし・・・)
「ち・・違うでしよ、コバが今まで見せてきた凄い技には全て裏があって」
「あぁん?俺らのこの破壊的な攻撃も・・・・」
ダイルは床と壁を殴る、
「この美しい大腿直筋 、外側広筋 、内側広筋 、中間広筋 の力が裏にあるからだろう?」
「コバの力にもそんなすげえ裏があるってのかよ、なんだあ見た目以上に影でトレーニングしてやがるんだなあ見なおしたぜ!」
ダイルのトレーニングする動きに精がである。
(だ・・・駄目でし。。どこかでコピペしてきたような難しい筋肉部位は言えるくせに、なぜこうも会話が成り立たないでしか)
「もういいでし!!とにかく伝えたでしよ!!」
部屋を飛び出すモグ太。見送りながらトレーニングを続けるダイルの口元はニヤけていた。
「てじな・・・どんなトレーニングなんだ」
「・・・??レイディどうしたんだ?」
壁のほうを見ているレイディが振り返る。
「いやぁん、コバちゃん、さっきモグちゃんが外で私たちの会話を聞いていたみたいなのん」
「えっ?!駄目じゃねえか、手品の話を聞かれたってことだろう?」
焦る小林を見ながらレイディは落ち着き笑っている。
「大丈夫よコバちゃん、モグちゃんは友達が魔王様しかいないから」
「・・・な・・なんか俺もモグ太の友達になってやりたくなってきた」




