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魔王様は手品師  作者: ゆたか
魔界編
27/191

27.王様の絨毯

「モグ太が治療(?)から帰ってきたら、見せて試してほしいマジックだな、そもそものストーリーというか世界観が面白いから」


「ほほう!なんでござるか??」


小林は少し間を開け、深呼吸する。


「・・・・王様の絨毯」


「王・・・・様の絨毯!!面白そうでござる!」


「だろ??笑い話でこのマジックが好きな仲間のマジシャンが『今から王様の絨毯というマジックをします』と言ってちょっとネタバレしてて笑ったことがあったから、やる前にタイトル言うんじゃないぞ・・・」


「ネタバレになるんでござるか?」


「見ればわかるよ・・・」


「・・・・ふむふむ!」


「ふむ、確かに王様の絨毯ですわね」


「で、これはこうなっててこう、俺のアレンジを一か所入れてあってさ」


「なるほど!」


「・・・・     」


――――2時間後


「いやーただいまでし!!まさかあんなに虫歯になっていたとは思わなかったでしよ!」


痛みが消えて笑顔のモグ太、歯が不自然なくらい白いのがロッドにはツボのようだ。


「あくまでクリスタルで歯が全部折れましたじゃないわけね、まあいいや、おーい。モグ太よ魔王様がお前に見てほしいものがあるんだとよ」


「は!魔王様!いかがいたしましたか?」


「うむ。日々、黒い泉の探索ご苦労である。最近私が見つけたもので面白いものがあったのでその話をしようと思ってな」


「といいますと??」


「これは何だと思う?モグ太??」


トランプを広げる魔王。


「へい、トランプでございますでし」


「そうだなトランプだな。しかしモグ太、これがトランプだというのはモグ太がトランプを知っていたからそう思ったのだろう?これが初めて見るものだったら」


「そうでしね、紙の柄がたくさん書かれたよくわからないものでし」


「うむ、探索していてもそういったものはあると思うんだが・・・今回はたとえ話でこのトランプを布だと思って見ていてくれ」


「布?でしか??」


「あぁ、では一枚ずつ配っていくからストップを言ってくれ」


魔王は1枚ずつトランプを配っていく。


「ストップでし」


10枚ほどのところでストップがかかる。


「表向けて今配ったものを見てみろ?どうだ?」


「そうでしな、特にこうなにかありそうにも見えないでし」


「良く混ざっているのが分かれば良い。ストップを言ったところからこのように・・・」


テーブルに裏向きに左上から1枚2枚3枚・・・・16枚配る。


縦横4枚ずつ均等にトランプが並べられている。


「この16枚のトランプは一つの大きな布だ、古いもののせいか、ここやここに穴が開いている」


魔王はテーブルにあるトランプを表向けていく。


「表向いている部分は穴なんでしか」


「そうだな。この表向いている部分は汚れだな、こっちは変色だな。トランプで表しているが縦の長さは3Mくらいあるぞ」


「大きな布でしな、もしこれが泉に落ちていたら持ち帰るのも大変でし」


「そうだな、持って帰るために折りたたむとしようか、ここやここ、ここも。トランプの隙間を選んでもらえるか」


「じゃあこの1枚目と2枚目の間にするでし」


「その隙間に合わせて折り返す。トランプをひっくり返して隣のトランプの上に乗せる」


「1列減って、2列目の縦の列にトランプが重なったでしな」


「これを繰り返していくぞ」


「ここと、ここ、ここにするでし」


モグ太の指示でトランプを反転させて隣り合わせのトランプに置いていく。16枚のトランプが1か所に積み上げられた。


「1枚のトランプの大きさまで来たな、これ以上は畳む必要もなかろう」


「で、この布がどうしたでしか??」


「ふっふっふ、モグ太よ。気づかなかったか。折りたたんでいる間にこの布の品質や歴史的価値を・・・」


魔王は16枚のトランプを最初と同じように縦配りなおす。


縦4枚横4枚。


「持ち帰り、修復班に綺麗にして広げ直したところ・・・・4か所怪しいところが見つかった」


「裏向きのトランプが4枚あるでしな」


「この4枚を見てみると・・・ダイヤのK、クローバーのK、スペードのK、ハートのKなのだ」


「王家の紋・・・!!ということでしか?!」


「そうだ、何の価値もなさそうな布だったが王様の絨毯だったんだ!」


キリッ!


小林(いや、こっち向かなくていいから)


ロッド(この顔を覚えておいて明日絵日記にしよっと)


「王家の絨毯!!そんなものを適当に折りたたんでしまって!これは失礼なことをしてしまったでし」


声を荒げてモグ太は頭をかかえている。


「・・・おい、あいつどこに食いついているんだ?」


「コバ様仕方ありませんわ。モグ太ですもの」


「・・・・ああモグ太だから仕方ないか」


「ま、魔王さま!今までにもひょっとすると貴重なものをゴミと思い処分していたかもしれないでし・・・今回はしっかり持ち帰ったでしが、今まではあまり気に留めておらず・・・・探検隊隊長として心構えがなっておりませんでした」


「えっ??ああ??うん!それは仕方ないね!」


「もう一度やってほしいでし!今度はクイーンの絨毯だったということで、今度は綺麗に畳むでし!」


「え?!あっ!もういいじゃん!・・・いいではないか!」


「おいらの気が収まらないでしよ!魔王様!!」


小林(もう一回やってくれか、これも試練だ。がんばれ魔王様)


「ぐぬぬぬ!!・・・・(ハッ!!)モグ太よ!もう一度やってもよいがお主、気になることを言っていたな。今回は全て持ち帰ったと」


「は・・はい!やはり一番の経験者のおいらが収穫が多くなくてはと思い、なんでもかんでも持って帰ってきてしまいました」


「そ・・そうか。それで今回はあんなに多かったのだな。それはそれで目利きをしていないということになるぞ」


「は・・はい!以後気を付けるでし・・・申し訳ありませんでし」


小林(わー!楽しいマジックが種を悟られないために説教話にすり替えられてるぅー!悲しー!)


ちょっと泣き出しそうなモグ太、ドSロッドはスケッチを始めている。


「いや!あの!泣かなくていいからね!!ど、どうだろう。今回沢山収穫があったのだろう?いいものもあったんじゃないか?」


「・・・・(ピタッ)思い出したでし!治療が終わったらその報告にと」


泣きそうな顔ではなくなり一安心する魔王、舌打ちするロッド。


「これなんでし、以前から流れ着いていたでしが何かわからず捨てていたんでしが・・・」


モグ太の手を見て小林が叫ぶ。


「・・・・・ってそれスマートフォンじゃねえか!!」

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