28.疑惑
「スマートフォン?コバ殿はこれを何か知っているでしか?」
モグ太が駆け寄り、スマートフォンを小林に手渡す。
「俺が元居た世界にあった・・・通信機器だな」
「つうしん?聞いたことがあるような・・・??モグ太は知っているか?」
小林(魔王でも知らないのか。まぁ流れ着くまでに無事な機械のほうが少ないんだろうか。そう思ったらあのセグウェイはかなりの奇跡だったんだな・・・)
「魔王様、おいらもつうしんという言葉、なにか聞いたことがある気がするでしが・・・」
魔王とモグ太はそろって首をかしげている。
「おいロッド、お前はどうなんだ?そもそもお前電子機器みたいな感・・・」
「――――秘密事項ノタメお答えでキマせん」
「いや、電子機器ですやん!」
小林のツッコミが空しく響く。
「駄目なんだ、コバよ。魔王の私もその他のモンスターも何か思い出そうとしたら思い出せない。ロッドに関しては何かを知っていそうなのだが、我々とは違う理由で聞くことができないのだ」
―――――
「ロッド?私が人間のときの・・・」
「お答エでキマセん」
「ロッド?拙者ってかっこいいでござるかな?」
「お答えできません(笑)」
「ロッド?拙者って頭良くて天才でござろう?」
「お答え・・・できません(笑)」
―――――
「ってなことがあって」
「いや、最後遊んでただけだろ!」
「あの、話を戻していいでしか・・・・」
まさかのモグ太になだめられる現場。
「似たようなつうしん?のようなものは今までもあったでしが、今回のは綺麗な状態でしかも回収して持ち歩いていたときに・・・泉に近づいた辺りで光って振動したでし」
モグ太の話を聞きながらスマートフォンに目をやる小林。
「これ、バッテリーも電波も生きているってことか。今は県外だが泉の近くに行けば・・・あるいは・・・」
小林の前に魔王が下からにょっきり立ち上がる。
「コバ殿、このつうしんはレイディに聞いてみるといいでござるよ、魔王軍の中で一番の知者でござるからな」
「知者?痴者の間違いじゃ」
「あらん?なーにをこそこそ話してるのかしら?魔王様?」
いつの間にかレイディが室内にやってきていた。
「モグちゃん?治療が終わったら真っ直ぐ部屋に戻って冷やしておくようにいったじゃない~?もう一度治療したいの?」
「ひっ!あのぐるぐるガシガシはもういいでし!帰るでし!」
モグ太は急いで飛び出していった。モグ太の治療方法については古代エジプトあたりの歯の治療を調べると良いです。
「さあて、邪魔者もいなくなったことだし」
レイディはツカツカ歩き、小林と魔王に距離を詰める。
「コバ様?あなた人間でしょう?」
「えっ?!」




