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魔王様は手品師  作者: ゆたか
魔界編
21/191

21.てんねん

「着いたでし。ここが黒い泉でし」


水性絵の具で染めたにしてはテカリのある、油絵具の黒を薄めたような、透けてはいるが粘りのある不思議な泉。


「何かが落ちたような跡にも見えるし、泉の奥は更に霧が濃くて見えねえな、探索はしたのか?」


「それがだなコバ、ここから先に行ったものはほぼ帰ってこない、帰ってきたとしても記憶が曖昧。おそらくこの霧が関係しているのだろうが・・・」


泉の先に流れ着いたであろう品々が転がっている。


「不思議だな、液体のようなものなのに流れ着いたものは濡れていないのか」


「なんだこれ、たこ焼き屋の看板に、提灯やらDE-17・・?5?3?金属っぽいけど、こいつが錆びているってことは水には違いないってことか??」


「よくわからないものは触らないことでし。怪我してもしらないでし」


「ガラクタも多いからよくわからないものだらけだけどな」


こそこそこそ・・・


後ろ向きに後ずさりするモグ太。


「ああ!!落とし穴に!ハマってしまったでし!これは大変でし!一人で穴から出られるかわからないでし!」


3Mほどの穴に落ちているモグ太。穴に人影が近づくと透かさず


「コバ殿助けてほしいでし!一人で・・・」


「お前モグラなのに穴から出られないの?」


モグ太に電流が走る。


(しまったでし!穴に落ちて人柄を試してやろう作戦、よく考えたらおいらモグラだったでし!)


「ち・・違うでし!普段は登れるでしが足の調子が悪いでし!」


「ったく・・・しょうがねえな」


小林は持っていた赤いハンカチをひと撫でするとロープに変えた。


「魔王様、ロープに強化魔法をかけてもらえないか」


ロープにしがみつき釣りあげられるモグ太。

「助かったでし、コバは優しいんで・・・」


「これは大きな貸しだ。部下もモグラなのに穴から出られないなんて聞いたら、幹部として恥ずかしいことだし、まさか虫が嫌いなんて気づかれでもしたら、うんたらかんたら」


(・・・コバを試すことはもうやめることにするでし)


――――魔王城


「モグちゃんうまくやってるかしらん?」


「はっ!あいつなんて、はなっから当てにはしてねえさ」


「あらん?じゃあ私には期待してよね?」



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