20.歯が命
更に森を進むと足元にゴミらしきものが増えてきた。
「コバ殿、足元に注意するでござるよ、怪我をするものも流れ着いていたりするでござるからな」
凛々しい顔をしながら小林に注意している魔王だが、セグウェイがひっくり返り動けなくなっている。
「ったく、そんな乗り物に乗っているから横転するんだろ、あくまで平らな地面でしか走れない乗り物なんだからさ・・・」
「助かったでござる、それにしても先に行っているモグ太が戻ってこないでござるな」
もうすぐ目的の場所でし!と声を張り上げ走ったままモグ太は帰ってこなかった。
「大変でし!魔王様!!」
モグ太が嬉しそうな顔をしながら近づいてくる。
「クリスタルがたくさんあったでし!」
「なんと!でかしたぞ!」
二人は一目散に走っていく。
「おい、待てよ??クリスタルってなんだよ」
小林が追いつくとそこには輝く宝石のような塊が地中から生えていた。
「森の中に宝石?相変わらずファンタジーな世界だな」
「コバ殿、この青いクリスタルには魔力が込められていて、これを加工したものは武器にも防具にもなるのだぞ」
ニヤニヤしながら袋にクリスタルを詰める魔王、完全に泥棒にしか見えない。
「魔王様!さらにこちらに・・・」
モグ太が指さした先には、赤いクリスタルがあった。
「うほおお!!!!これは凄いでござ!凄いぞ!!硬度が最も高いクリスタルではないか!」
泥棒はよだれを垂らして赤いクリスタルを見ている。
「この固いクリスタルには特殊な器具が必要でし、あとで部下たちに持ってこさせるでし」
バリバリバリ・・・
クリスタルの前でしゃがみ込む小林から音がする。
「なっなにしてるでし!」
「なにって旨そうだったから、食ってんだよぉ」
にたりと笑う小林。
足元に落ちている砕けたクリスタルを拾い上げて口元に運ぶ。
「ひいい!最硬度のクリスタルでしよ!魔王様!」
「はっはっは、コバ殿は固いものと聞くと目がないでござるからな」
(コバ、なんて危険なやつなんでし・・・・)
――――森の奥への探検は続く。
ひそひそ
「コバ殿、いくらなんでもやりすぎたんではないでござるか?」
「お前の俺に対する固いもの好きアピールもわけわからんかったけどな」
「じゃあ拾い食い癖あるっていえばよかったでござるか、そもそもクリスタルを食べるって設定が変だったんでござるよ」
「いやぁ、いくらお前と仲のいいやつだっていっても一発かましておいたほうがいいだろう?クリスタルの話を先に聞いておいたおかげで飴玉も準備できたわけだし使わない手はないじゃねえか」
「で、さっきのはどうやったでござるか」
「ほら、飴玉を粉々にするとだな、・・・でこうやって」
ひそひそひそ
「またひそひそ話してるでし、コバを監視するようにしているのが気づかれているんでしか・・・」
モグ太がこっそり二人の顔色を伺う。
「がっはっは、確かにこうするとクリスタルも旨いもんだな」
「そうでしょう、魔王様、ぐっへっへ」
(魔王様まで変になっていってるような・・・やはり危険人物でし)




