186.オーダム3
「まあってのが松本説、あくまで説なわけで?信じるか信じないかは好きにしてもいいけど?」
ベッケンはひれ伏すオーダムにニヤニヤとしつつも、すぐに冷静に冷たく言い放つ。
「ここにいたら、そのまま記憶は消され、魂は新しい何かに変えられる。木のオブジェになるかもしれないし?紳士淑女になるかもしれない。石ころになるかもしれないし?窓ガラスの一部かもしれない・・・・イモムシがサナギになって体が溶けて変態するような感覚だろうか?」
ベッケンは腕組みする。
「そんな記憶がなく純粋無垢な何かになって死の雨を待つ必要もあるまい?元カルト宗教の教祖様が情けないったらありゃしねえ」
「・・・・・」
オーダムは沈黙する。
「最初は憧れだった。ピタゴラスになりたかった。憧れた」
ベッケンはオーダムを摘む。
「お前の全てを差し出せ。そうすれば他のものが体験できないような・・・」
「くっくっく。私が悪魔崇拝とは」
「誰が悪魔じゃ。そんなもん後世でいくらでも神になる」
「ふっ。確かに」
プログラム、GO SOUTHの権限をオーダムに移行しました。アバターは従来のものを使用するもとします。一部のアイテムを用いての消去活動は、御前の・・・・
「だあああ!うるさい!静かに」
「な、なんだベッケン・・・様。あーベッケ・・・なんだ。様をつけて話さないといけなくなっているぞ?!」
「そりゃあお前、お前は俺のものになったわけだからな、そんじゃ仕事頼むぜ」
ベッケンは消えた南のあとを見る。
(人間がvgp、vgpが人間。人間の科学者やマジシャンたちが本物の超能力者や神を、死後の世界を探し当てようとしたように、今まさに我々も本物の人間を探す度に出ないといけないわけ・・・か)
「・・・おい、ベッケン様聞いているのか?その仕事とはなんだ?ベッケン様?」
「あ、ああ。悪い悪い。とりあえず、天在様って神様になってそこらじゅうで奇跡を起こしてほしいわけ?サポーターはそこの」
ブルドックは二足歩行でオーダムに近づく。
「信です。よろしくだワン」




