181.おそるおそる
信はベッケンの肩を叩く。
「ど?どうされました?」
避雷針からベッケンが手を話し、笑う。
「はっはっは。いいね。この発想。無機物のオブジェに記憶はないから、vgpの監視を逃れられる。人間が昔の建造物や石碑に触れると昔の人の生活や記憶を覗き見るようだ・・・といったことのまさに体現だな。トラウマの理論を逆手に、1つのきっかけから膨大な記憶を解凍展開、紐づけて次々に脳内に記憶が入るため脳への負担も考えられている」
ベッケンは空中に手をかざし考察を始める。
「途中で思い出すのをやめれば止まるようだな、これは思い出しすぎると負担になる普段の脳と一緒だな、で、一度読み戻した記憶はセーブポイントがあるからそこから読み込み直しをすれば良い」
「とはいえですよ、たかゆき様の容量がどれだけかは未知数です。過去の記憶を取り込みすぎたあまり、あなた自身の記憶が消えていくことも考えられます」
「・・・・確かに。松本がそこを考えていないはずはないが、この場所にお前らを近づかせないように墓場にしたんだろうな」
「まあ、私は今は役職なしのニートなので、、ここに来れた・・・ということでしょうか。記憶を忘れていける液体に、トラウマのメカニズム、死後の世界に生まれ変わり思想。これらをほしがるようvgpは思い、生活をしていて。人間は克服したいと思い生活をしていて」
信はそういうとベッケンが苛立っていることに気づき、声のトーンと徐々に小さくする。
「松本くぅん、ヒントだけで俺はたどり着けたと思うけどなぁ??!答えまでほぼ用意されたようなもんじゃんーーー。俺の持っている違和感を頼りにしたらノーヒントで行けたよ俺??!あーーー」
「負けず嫌いが出てますよ。ベッケン様」
「・・・俺が最初にここにきて抱いていた、違和感。いや。懐かしさ。今、vgpと暮らしている人類は・・・」
ちゅどーん
「いてて、痛くないけど。はい、たかゆき様おまたせ。はじめまして?南です」
ベッケンは南に少し怯えながら、問いかける。
「お前は・・・俺の味方か?」
南はニコニコ微笑み、信の何故か顔を見る。
「・・・どっちが楽しい?」




