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魔王様は手品師  作者: ゆたか
比企田天在編
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180/191

180.逆転の発想と松本

「げっ、ベッケ・・じゃなかったたかゆき様から集合の連絡が・・・・って、ふう。なんだったけか」


南は群青色の湯船に浸かり、ブツブツと不満をぶちまける。


「僕だって普通に生活を楽しみたいのに、お仕事には誇りがあるけど、たまには・・・そうだなあ友達ができて喫茶店に入り浸って、どうでもいい会話とかして過ごしたいなあ、まあでも社長の話だともうすぐこの仕事も終わるみたいだし、終わったら記憶を消して一般ピーポーの楽しみをエンジョイよんってヒデちゃんも言ってくれてたし、それまで頑張・・・・」


「ビービー警告。入浴時間の限界。お湯を排出します」


警告音が鳴り、南の湯船から群青色の液体が減る。


「あーあ。もう終わりか。ってあ、しまった。なにしなきゃいけなかったっけ。ってたかゆき様呼んでんじゃん。気づかなかった」


南は衣服を急いでテクスチャーし、たかゆきの元へ飛ぶ。


「にしても、よくもまぁこの短期間でどんな病気にも効く薬や病気にならない人間を作れたもんだな、ルーファスとヒデ、お前(信)が優秀だったってことか」


「・・・ふっふふ。それに関しては先代のたかゆき様がおっしゃった逆転の発想、これが素晴らしくてですね」


「逆転の発想??なにそれ超興味がありまーす!!」


ちゅどーん


「いてて、痛くないけど。たかゆき様オマタセシマシタ!敵はどこ?わたしはなに?」


地面に埋もれる南をベッケンと信が引き上げる。


「あー、その。南ちゃんごめんね。たかゆき様の姿を見てみたいと信が言うもんで(逆転の発想がが気になるからここはお帰り願おう)」


南は信を睨みつける。


「え?え?!ちょ、ちょっと」


「このやろう!人が楽しんでいるところを!」


「ちょ、ちょ」


南が立ち去ると同時に信が立ち上がる。


「えーっと。どこまで話しましたっけ、ベッケン様。その避雷針を触れるのはおすすめしませんよ。生き返るのを拒む、魂の素になる者たちの反抗なのかもしれませんから、それに」


ベッケンは信が続けて話そうとしていることを話す。


「おお、おお?!さすがは前職が前職だけありますね。マインド・リーディングがお得意なようで」


(どちらかといえば事前に引き出した情報を喋っているだけだからコールドリーディングやホット・リーディングなんだけどな)


「まあ、信よ。確かに人間の世界とは違い、魂を数値、データとして取られることができるこの世界で、生き返ってこない魂に恐怖を感じるのはとてもわかるが、人間様も同じことを考えていてだな、生まれ変わり続けた魂は摩耗して無に変えるってことを考えていた人がいたり、はたまた良いことをしたり頑張った魂は別の世界へ隔離されるからこの世界の干渉ができなくなるとなんとか」


「ふ、ふむ。ベッケン様がそうおっしゃるなら。なんだか納得できたような気がします」


「それよかさっきからお前が俺に渡し続けている情報を考えていたら、それことお前処分さたくないなら、こいつらの原理を使えば、処分されたように装えるんじゃねえかな」


「???!そ、そんな。一応上位立場にある私がそんなことを」


「そんなこともへったくれもねーの。自分が大事。天上天下唯我独尊」


「てんテンガ??」


「・・・・なんでお前らって専門分野外になると途端おバカになんのよ。。」


ベッケンは自分の足元を見る。


「なあ?そうだろう?松本?」


-----


「あっちの意見を聞いてこっちを下げたら、上げたあっちは調子に乗って滅ぶ。下げられたこっちは誰が悪いのか言い争い、滅びかけたところあっちとこっちの生き残りがくっついて仲良くなるかなと思ったら、内ゲバが起きて」


「なーにしてんの松っちゃん」


(こいつ、距離の詰め方がやばい)


「あーえー。ごほん。わたくし今はたかゆき様の格好ですので、そのやめ方はやめるのだ。GO SOUTHくん」


「前に南ってつけたくせに変なやつ」


(このやろう、変なやつに変なやつって言われたくないけど、変なやつっていう変なやつが 以下ループ)


「死なないはずのたかゆき様が一定時間経つと消えてしまう現象だが、大きな権力にならないよう、世代交代を狙ってだろうな・・・あと消えたたかゆき様は、vgpに功績を称えられて取り込まれたものと思われるな」


「取り込んでどうすんのよー」


「人間はいつしも、その時代その時代で完璧な神様を作りたいって考えがありましてですね」


「Zzz」


「寝るな!そっちに逃げんな!進化は神の意志であるバイオスフィア、ノウアスフィアってのがあってだな、脳がデジタル化できるとなるやいなや、そういえばそんな考え方あったと実現しようってじいさんたちに火がついたわけですな。それに」


「Zzz、それに?」


「それに俺の代わりなんていくらでもいるからな」


「・・・・ぼく、あたし・・・だってそうだよ」


「・・・・・まあ、先輩のイキモノが人間をまた神様に近づく進化をさせてくださろうとしているんだから、がんばるぞー!って話ですわ」


「・・・じゃあその神様を目指す人間から作られた私達もいずれ神様になる進化をしていいの?」


「やなこという!!この子やなこと言う!チェンジ!チェンジ!!」


「えー。せっかく仲良くなったのに」


「・・・どうせ記憶消されるんだから仲良くなっても意味ないだろ」


「でも松本くんの理論だとこのvgpの欠陥を利用すれば、復活も可能と」


「なんで俺を処分しないんだ?こんな悪いことを考えているたかゆき様だぜ?」


「うーん。。お風呂に入ったからあんまり覚えていないんだけど、いい人だなあって思ったからそれを信じてみようかなって」


「RPGゲームによくある、オブジェクトに触れるとそれがきかっけで記憶を呼び覚ます、俺の得意分野だからな」


「なんだっけ、記憶とトラウマの引き金?だっけ」


「うふふ、俺ってばその論文でちょーーーー褒められたの。で気がついたらここにいたから、ひでー話」


「気になる本の内容、もう一回説明して!!」


「その一回何回目だよ。。いいか?火傷したトラウマがある人がいる。火で火傷したから、火を見ると怯える、なんなら火傷した箇所が疼く、人によっては首を掻きむしったりもする。その過去を思い出してしまい、忘れたいから好きなコーヒーや食べ物を食べたとする。どうなるか、運が悪いとコーヒーを飲んだだけで、食べ物を見ただけで火傷のトラウマがフラッシュバックする」


「記憶の紐づけだっけ」


「そう、これもひとつの免疫機能の暴走だろうと、記憶でいうアレルギーの過剰反応」


「でもその免疫反応が働かないとまた火傷をしちゃうから」


「火傷をする前に因果関係がありそうなもの全てに反応する設定をされるわけだな」


「不便だねー不便だねー」


「でもこの機能をポジティブに利用している人もいてだな、それの最上級が禅かもしれないってな」


「お腹減ってても、寝てなくても、運動してなくても、幸福な物質を出せるんだっけ」


「トラウマになるものの紐づけの紐を断つ、つなげ直していつでも悩みのない幸せにたどり着けるように」


「でもそれも間違うと笑顔の廃人になっちゃうんでしょ?」


「そういうこと。なにごともほどほどに、ってわけで」



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