175.HIDE
「人口孤児で増えた年代の人口増を移民を受け入れた数としてカウントねえ。総人口が曖昧であろう、いくつかのお国から移民を受け入れたことにしたら辻褄は合わせられるか・・・」
ベッケンはやれやれとしつつも、ため息はつかず信の話を聞く。
「5歳から22歳まで、この数年でこの年齢の移民の人口増、間違いないでしょう」
「高齢で子どもがいない子どもがほしいニーズに答えつつ、基礎疾患がなく優秀で、人口ピラミッドの改善につながり日本経済へも良い影響を与える、良い取り組みである」
「噂を聞きつけた人々が私たちも!と大きなビジネスになってしまい、さすがに違和感のある数字として現れてしまったと」
「少し前までいかに無駄を省き葬儀をして利益を上げるかに力を入れていた国とは思えませんね」
信が一通り話すとベッケンは疑問を投げかける。
「・・・間違いないでしょう?」
ベッケンの問に信が即答する。
「それぞれ担当がありますから、私は本件に関わっていないので推測しかできません」
「ルーファスが取り込む前の人口孤児プロジェクト・・・HIDE、英語だと隠す、隠れるって意味か。政府が本当の出生を隠したい子どもたち。少子高齢化の逆ピラミッドをもっと良いものがほしい消費者心理に付け込み、販売したと」
「自分たちの欲求が満たされ、心に余裕ができたら、ようやく良いことをしたいから悪いものはないかと探す」
「悪いことを探すいい人ねえ」
「作り出せてしまえるから終わりが見えませんね」
信は目の前に扉を作り出すと近づくようベッケンに促す。
「言われたことをしていただけのプログラム・・・いや人が削除・・・えーっと殺されるのを見かねたルーファスが救い出したと??」
「バレる前に隠蔽しようとしましたが、ルーファスに先手を打たれて偽装されたわけです」
「・・・・・人口孤児の次は、vgpってことか」
「そうです。ルーファスは私の身を案じてくれている、・・・が現状なわけです」
ベッケンはハッとして自分が過去、放送した番組の内容を思い出す。
「あー。。そういや俺、優生思想について陰謀論かき集めた放送してたな」
信とベッケンは顔を見合わせる。
「ま、、まさかルーファスくん。信と俺の身を案じて」
「は、はは。それこそ悪いことを探すいい人に近い気がしますよ、それは」
信が開けた扉の向こうには古びたブラウン管の前に座る一人の男がいた。




