169.悪趣味な館
「な、なんだ、この悪趣味な館は・・・」
「ベッケンさんが会いたい相手はこの館の住人のようです。なんでも占いで大儲けして、そのお金でこの建物を立てたんだとか、ゆくゆくは占いの商店街を作りたいと申しておるそうです」
(おいいいい、俺の課金の結果がこれかよおおお)
「しかし、ベッケンさんよかったのですかな、やはりヒデのほうが案内人としては」
「会いたい人物話したら、お前がヒデだと案内してくれなさそうって言ったんだろ!」
「ぐぐ、なにせ今彼女はデリケートな時期だそうで・・・会うなと言われているため、私も会ったことがないんです。本当は今日の訪問もヒデや南に問い詰められないか心配で。とりあえず今彼女はナイーブなのです」
「占い師と裏社会の噂ねえ、そんな、とりあえず訴えられたら謝罪すればいいし、好き勝手書いちゃいまーすなんて記者相手にしなくていいのにな」
「はっは、それで言えば同じようなことがベッケンさんもありましたな、ファジーマジックには種があるペテン師だ、という記事への返し」
『ファジーでこの記者と会社に復習します』
「信じていないなら訴えたりしないよね?だって訴えるって信じてるから怖いってことなんだよね?私が威力業務妨害で捕まるということは、国家権力そして書いた記者、会社が私の力を認めたことになるのです。さああとはご自由にどうぞ」
ベッケンは出来立てほやほやの頬を赤らめる。
「わ、若気の至りだ、そんな昔の話」
ベッケンはそう言うと、Gの姿を見る。
「なんだか、頭の良い昔の官僚って感じの格好なのな」
「やめてくだされ、これは用意された姿。もともと姿などないのですから」
「そんなこと言ったら俺だって、『ファジーで復習します』のときの姿だぜ。嫌がらせすぎる」
「とはいえ、ベッケンさんの全盛期の姿でこの世界を回ることは・・・正直オススメできませんからな」
「うーん。まぁGがそういうのなら」
ベッケンは探り探りながらも自分が置かれている状況、そしてヒデとGには自分が「新しい」たかゆきに選ばれたことをわざと伝えないでおこうと考えていた。
これは長年、ベッケンというキャラクターを演じていた彼だからわかる、メリットがあるためだろう。
それにどうやら今のところ、南だけがたかゆきの中身が入れ替わっていることを認知しているようだ。
わざわざ記憶をそのたびに消している。慎重に聞き出せることは聞き出していきたいところだ。
「そういやたかゆき様って」
Gの顔色が変わる。
「しいぃい!恐れ多いですぞ。たかゆき様の名前を口にするなど、唯一神。絶対的な存在なのです」
(南のいうことも一理ある。このテンションのまま話されると会話になる気がしない。徹底したたかゆきの尊敬)
「・・・・・なんだい。騒がしいね。厄日かい?今日は」
ベッケンとGの前に小柄な20代女性が現れる。




