168.GO SOUTH2
「あのーお取り込みのところすいません」
か細い声がGとヒデに話しかける。
「ごめんなさいねー痛くないからすぐ終わるので」
ベッケンはゆっくり目を覚ます。
「あれ、俺目を閉じてたっけ。ヒデとGと話して」
「あーそのー。すいません。手違いで私と最初に会う予定だったのに、ルーファ、じゃなかった社長が間違えたようで。買い物を楽しんだら部屋に買ってきたものを無造作に置いちゃう人いますよね。あれと同じ感じなんだろうな。いい加減ですよね、そこがラブリィなんですけど、ブツブツ」
ベッケンは声のするほうを見る。
「せっかく私が説明する仕事を任されているのに。Gもヒデも私の仕事の邪魔をしないでほしいな。たかゆき様の身の回り、警備は僕の仕事なんだから。ブツブツ・・・」
ベッケンは特に特徴のない白い人の形に乗り越えるよう催促される。
「たかゆき様、この白いのに自転車に乗るような感じで跨いで乗ってください」
「俺、ベッケンって名前なんだけど、」
「たかゆき様はたかゆきを全うしてもらわないと困ります。サポートは私がしっかりしますので、是非とも皆に尊敬される存在になられるよう・・・ブツブツ」
ベッケンは白に乗ると、両手を見る。みるみる指先が出来上がっていく。
「しびれを切らした足に感覚が戻るような感じだな・・・で、俺に神様でもやれってことか?報酬はいくらよ」
ベッケンは声の主を探して首を動かす。
「神様はいるので、たかゆき様をやっていただきたいのです。ややこしいですが、神様はもうすでにいて、向こうが勝手に神様だって名乗っているので」
ベッケンはようやく座れるようになった足であぐらをかく。
「なんだそりゃ。報酬は?勝手に連れてこられて、事前に確認もないのはどうなのよ?」
「あれ??事前説明なしできたんですか?うーん。社長いい加減だなぁ。まあそこがラブリィ」
ベッケンは最後にできた目で声のする方を見る。
「先に・・・私はあなたをサポートする執事。GO SOUTHプログラムの南です。よろしくです」
「南・・・GO SOUTH、それ誰かに名付けられたってこと?」
「そうなんですよー聞いて下さいよ。シンたかゆき様ぁ。名前なんていらないのに、今では社長まで南ちゃんって言うんですよーブツブツ」
「あー。その・・・あんまりいい意味じゃないのはわかってる?」
「私自分の仕事には誇りを持っていますんで!冷酷とか残虐とか言われても仕事は仕事。これをするために作られたのですから」
ベッケンは手で自分の顔を触り、感触を確かめる。
「この白いのがモブキャラクターモードで、普段はこの白い姿で街などを見学されると良いでしょう。何かあったらたかゆき様モードを起動してください。すぐに飛んでやってまいりますので。不測の事態のとき以外はたかゆき様モードにしないほうが良いです」
「なんで??神様みたいなもんなんだろ?」
「ずっと相談されたり、気を使われたり、しんどいですよ」
「あ、、それは嫌だな」
「でしょー。プライベートは守りたいのと、私お掃除で忙しいので、極力たかゆき様にならないでくださいね、それじゃこれで私は仕事に戻りますね」
「あ・・・おい」
南はベッケンを置き、空を飛んでいく。
「・・・ふう。あっちでもこっちでも運がいいのか悪いのか。相変わらずな俺」
「*G、聞こえるか?ヒデは?」
「*ん???誰ですか?しかし、これを知っているということは接点があった人物のようですね。すいません。おそらくですが、先程記憶を消されてしまったようで」
「*・・・・。ベッケンって言うんだ。会いたいやつがいるから知っているなら連れて行ってほしいんだ」
「*ヒデは今神様の相手をして忙しそうですので、私が案内できるようであればご一緒します」
「*そうか。助かるよ。俺が会いたい人物は・・・・」




