166.ベッケンと2人
「よっ・・・と、ほっ、だいぶ動けるようになってきたぞ」
ベッケンは飛び跳ねてみたり、屈伸したり手を握ったり腕を回したり、状態を確かめてヒデのほうを見る。
「て、適応能力が高いというか、アメージングね。もう少し落ち込むものだと思ってましたわ」
ヒデは笑顔で話すベッケンに呆れる。
「まぁ死後の世界があるならそれはそれで楽しまないといけないと常々考えていたタイプなので」
ベッケンはブイサインをしてヒデをからかう。
「ベッケン様、私もG君もあなたも囚われの身なのよー」
「といいつつ、ヒデ。お前も最初は楽しそうにしとったじゃないか」
Gが登場し、少し空気が変わる。真っ白な白い空間に3人が出揃う。
「しっかしあれだな。こうやって喋りながらも他のことを複数創作したり、慣れるまでは大変そうだけど頭が冴えて仕方ねえな」
「そりゃまぁスーパーコンピューターに魂が乗っている、ゴーストインマシーンを体現したようなもんですからな」
「魂と言われたもののの科学的な立証かぁ」
「おっ、興味があられるのですか、臓器移植した患者の記憶が前の持ち主の記憶を持つということから研究が始まり、臓器同士で記憶の補完をしあっているのではないかという、特に核をなしているのが腸で」
「ヒデちゃん止めてくれよ、またG君の話が始まったよ」
「そういうソフトなんですから仕方ないですわ、ベッケンさん」
Gがある程度話し終えると、ベッケンに真剣な声で話す。
「こんな実験的で危険な魂のデジタル化。副作用がないはずがありません、ルーファスは尊敬する人間にプレゼントをと、、そんな軽い気持ちだったのかもしれませんが。少しでもあなたの自我が保てている間に、安全性を高めるよう努めます。どうか不安にならないでください」
「はは、機械に心配されるなんて。これで2回目だよ。人間の細胞は半年ぐらいで入れ替わるんだろう?自我も半年経てば消えているようなもんじゃないの?」
「それは屁理屈ですぞ、いいですか、そもそもですな」
ヒデはGとベッケンのやり取りを見つつ、端のない白い空間の先を見る。
(吸収型AI、この白い空間が満たされたとき、あなたは本当に幸せなのかしら)




