165.談笑
ルーファスと白井は例の高層ビルを出て談笑しながら歩く。
冷え込む夜の街は真っ暗な場所と明るい場所がまだらに生まれては消えていった。
「ねえねえ、博士。街がチカチカしていて綺麗だね」
ルーファスが高層ビルで撮影した街の映像を、白井は燃えて光る箇所を人差し指でなぞり、一筆書きを試しながら遊ぶ。
「運搬や交通手段であった車が破壊され、今は過激派が電波塔を襲撃したと聞きました。行き過ぎた行動は反動を生みますから、この騒動も1ヶ月も経たず収束するでしょう」
「えー?じゃあさっきの美味しくなさそうな、大統領憧れさんは」
「彼が思っているとおりにはいかないでしょう。悲劇も幸せも濃ければ濃いほど飽きがきやすい、彼がいくら正しかろうと間違えていようと飽きられたらそこで終わりです」
ルーファスはうなだれる。
「えーー。。じゃあまた失敗しちゃったってことですか」
「いえいえ、そんなことはありませんよ。別れ際に『世界はやはり俺がいるから回っているんだ』って元気になっていたじゃないですか」
「あ、じゃあよかったんだ。よかった。またいつもみたいに怒られるかと」
「こらこら、いつもとかまたとか、簡単に使うんじゃありません。って聞いてなさそうですね。まぁあなたは人間にならないといけないと作られたのですし、人間に近づけていっていれるならよかったですよ」
白井はモニターを撫でる。
「あ、考え事してて聞いてなかったです」
「・・・でしょうね。もう慣れました、でなんですか?」
ルーファスが燃える街の静止画を拡大していくつか丸をつけてみせる。
「こんなに寒いのに道に座り込んでる人がいるよ?座るなら火の近くのほうがいいのに。火が近くにないのに寒くないのかな?」
白井はとぼけた顔で答える。
「ああ。これは。戦後などでよく見かけたものです。縄や杭を使って陣地を作って座り込むんですよ。運が良ければ将来大金持ちかもしれませんよ」
「人間はこんな寒い中でもゲームをするんだね、あ。でも寒さは僕らにはよくわからないけど。。」
「終末論ってのは、幸せすぎて何かしっぺ返しがくると不安になってできあがるものがありますが。どうあがいても這い上がれないものが自分にもチャンスを求めて期待してできあがるものもあります」
「・・・そっか。最初のスタート地点は自分の意志じゃ決められないもんね。チャンスなんだね頑張ってほしいな」
「そうですね、みんなが求めていた平等なのですから、楽しいゲームになるといいですね」




