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魔王様は手品師  作者: ゆたか
比企田天在編
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139/191

139.替わり

どれぐらい時間が経ったかわからないが、松本と信は談笑を続けていた。


「はあーーー。結びや塗りの歴史。感服しました、手品にはまるで活かせそうにありませんが」


「け、敬語だけど嫌味を凄く言ってくるのがき、君らしいね」


松本の手にはそこそこの量の資料が並ぶ、多くはないが少なくもない資料たち。


「や、やっぱりこれらも200年の壁は超えられない・・・なぁ。本を一般庶民が読めるようになり、読めるように書いた著者は・・・となると限られてしまうから」


「でもですよ、お師匠、塗と結びは非常に興味深い」


(お、お師匠に昇格・・・降格?してるのか)


「ぬ、塗、いわゆるコーティングだね、必要のない塗料のようなものをあえて塗ることにより見た目が良く見える以上のものを求めて研究されたものだね」


「水銀、ヒ素、鮮やかで色褪せない色を生み出しているけれど」


「水銀に関しては今でも知らずに見かけたり手にしたら、これはなにかとてつもないものだと思う物だろうね」


「塗るという技術が、酸化、腐食を妨げるというのは」


「う、うーん偶然発見したのかなぁ、でもその過程の熱する混ぜるは調理の知識からヒントを得ていると考えていいかなぁ」


「うぉおお大ちゃんの料理万能論きたーーー!!」


「ご、ご機嫌だねえ、まぁ偶然だろうけど、色んなものを色んなものに塗ってみた結果、黒錆がオーパーツになったり、そ、それをいうと感動しているもう一つの結びの文化は一般的には過小評価されているかもしれないねぇ」


「堅結び、本結びでしたっけ、言われてみたら良く思いつきましたよね」


厠が開き、ブルドックが現れる。


「い、いいかい。線と線を交わらせる、ひねる、輪っかを作る、通す、数学的にはとてつもないのに、手で行うと造作もない」


ブルドックは厠へ戻る。


「戻るんかい!!」


「よ、世の中は点も含め、線で表せると気づいた何者かの、は、犯行だろうね」


「アジア圏に結びの文化が多い理由、お師匠はどう考察されますか??」


「しゅ、狩猟民族と農耕民族、で分けるのはよくないかもしれないけれど、他愛もない工夫が残りやすいのは農耕民族だったろうから、あと工夫を強いられるのは農耕民族のほうが多いだろうしねえ」


信がそう言い終わると、どこからともなくヒデの声が信に伝わった。


「楽しんでるとこ申し訳ないんだけど?そろそろゆきたかの後任会見の準備してもらえないかしら?」


「あ、ああ。いくよ。すまないね、松本くん、楽しかったよ、まぁ覚えていないだろうけど、いや、でも覚えていないっていうのもこちら側からのイベントの一つなだけで彼からとったら」


「早くしてもらえますか?ゆきたかさん?」


「そ、それ、名前変えてもらえないかなぁ」


「だーめよ、ゆきたかは有名な名前なんだから」

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