127.VS白ミイラ
「なんダお前は、何故見えている?」
うろたえつつ怒るミイラにさすらいの忍者はニコニコ手を組みながら話す。
「格ゲーで相手が見えないなんて反則でございますよ、お客様ぁ、予測と対策はばっちり」
長身はポケットに手を入れ身構えつつ、上から下まで忍者を凝視する。
「明子・・・デすか」
「明子は死んでますよ、お客様、こりゃぁ明恵の知恵でございます、村を焼き払った白いミイラがアホのマスターを蹴りに来るから、やっておしまいでございます」
小さいミイラは考えもなく忍者にとびかかる。
「考えなし、アホ、まず体重のかけ方が下手。スポーツしたことないのか馬鹿」
子供のかけっこのように忍者を追い回すミイラ。
「明恵や明子、どちらであっテも、対象物を知っていての計算で行動予想しているにすぎないはず」
忍者は小さいミイラを窘めながら、長身を見る。
「ふぅん、色々知ってんのね、きみぃ。末端のコイツとは違って、まぁペラペラ喋ってますがショートしてメモリー消失でございやす」
忍者は手から何かを小さいミイラに飛ばす。手から数センチ離れたところで口を開く。
「雷々(ライライ)」
大きな稲妻が晴天の空から突き刺さる。
「断末魔、スら出す時間もないとは・・・しかし、予備隊が任務を達成させたはず」
「はずはずうるさいでございますね、任務に関しては・・・・もうどうでもいいでございますのよ」
「??」
「このまま滅びを待つのか、征服を待つのか、絶対服従なのか、でございますのよ」
やれやれとポーズした忍者が手早く戦闘の構えに戻る。
長身は忍者が手を出すより早く、胸に手を当て自信を赤く光らせる。
「おっ、なんかやばそう」
忍者は手と足を空中にやり、ロッククライマーのように登る反動で大きく飛び上がる。
風船のように膨らみ、破裂する長身。
「なんだ??最後の手にしては抱き着いたりしてきてもいいもんなのにな」
飛び降りつつ、空中で手と足をひっかける忍者。
「ここは戻りが遅くて、んでここっと。スタッ!100点満点」
忍者の背後に近づく女性が二人。
「んなぁにが100点満点だい!この馬鹿!おっさん倒れたまんまで爆発なんかさせて!危ないじゃないか!」
「そ、そうですわよ、真様、さすがに見殺しは・・・・」
「双子はいつも以心伝心って歌知らねえのかよ」
忍者が親指を突き立てた先には実がいそいそとマスターを引きずり歩いていた。
愛は安心しつつ、マスターの近くに座り込む。
「お尻引きずられて痛そう」
「・・・そ、そこですか!」
実は疲れ果て倒れ込む。
「あのなあ、尻と腕を気遣って引っ張ってきたのかもしれねえけど、背負えばすぐだったと思うぞ」
真は実に手を伸ばし立たせる。
「た、確かに」
明恵は窘める真の肩を叩く。
「馬鹿タレ!あんたが全部やればよかったんだよ」
「勘弁してくれよ、ただでさえ招かれざる客が多いんだ、チームプレイで少しは楽させてくれ、っと。そんじゃま俺はこれで」
「・・・・・ありがとうよ」
明恵は背中を向け手を振る忍者に小さくお礼を言った。




