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魔王様は手品師  作者: ゆたか
比企田天在編
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126/191

126.来崩者

とある場所。


「いやあ、初体験はなんでも心が踊るモんですね、親分」


「おやメになっていただけませんでしょうか?その親分という言い方」


白い人影に頻繁にノイズのような横線が続く。電子ミイラとでも呼ぼうか。


一人は細身の長身で、もう一人は長身より背が低い以外は中肉中背といった特徴のないシルエットである。


「そんなこと言わズに兄貴ぃ!」


小さいほうは気に入られようと必死にアピールする。


「さっキと変わっているじゃないですか、まぁ兄貴ならよいでしょう、ぼスが理想ではありますが」


少し街中を歩いたところでミイラたちは街の端にたどり着く。


「しっかし、街はよくできてますが、こうやって端から見るト不気味なもんですね」


「まァ仕方ないでしょう。そういった作りなんですから。無駄を省くため、特定のエリア以外は作る必要はないのですから」


「でもこいつら、街の外にでないもんなんデすかね?」


「水槽で飼う金魚のヨうですね、壁を無意識に感じて避けて泳ぐような」


森があるあたりで長身は群青色の液体を見つける。


「ほホお、これがお目当てのブツですね」


「気をつけナさい。私たちにも影響がないとも限りません」


「はっは、外に間違えて出よウとしたら、この液体に触れて記憶を曖昧にされUターン、ギニーちゃんかわいそう」


特殊そうな容器に液体を入れる小さいほうの男。


「案外私たチの住む世界も同じ構造だったりするのかもしれませんよ、宇宙から出れるが出られないようUターンさせられていたり、深海も故意に立ち入れなくなっているエリアがあるのかもしれません」


「えっ?ボス?なにカいいましたか?」


「・・・・もういいです、用事は済みまシた、帰りましょう」


長身の男はそういうと、水鉄砲を取り出し、中に群青色の液体を詰める。


「あラ、ボス。かわいらしいものをお持ちで、そんなもので一体」


「決まってイますよ、この液体が本当に効果があるのか確認をしておかないといけません」


「確かに、ここに迷ってくる奴を待つわケにもいきませんからね、少し街に戻りますか」


ーーーーー


「はーぁ。びっくりしたわい。しっかしあの二人、うちを喫茶店みたいに使うなっての、まぁ南くんも松本君も帰ってこないから、ちょうどいい話し相手になる・・・・いや話が重くて一緒にいれねえわ!」


マスターは時間をある程度潰せたと判断して、自分の店へ戻る。


「ボス、こんな路地裏で待っていテ、本当に誰か来るんで?」


「ギニーの行動パターンはほぼ固定のようダ」


「まああいつらニは俺たちのこと見えてねえみたいですし、こんなところで待たなくてもいいんじゃ」


「おだまりなサい。念には念を。これは大切なことなのです」


「は、はい。あ、きましたよ。あのおっさんでイいんじゃないですか」


長身は素早く銃を構える。3秒もかからなかった。


が、それよりも早く小さいほうのミイラが標的へ走り出す。


「ちっ、コれだから自己主張の激しい人口孤児は嫌いなんです、・・・・聞こえていませんね」


勢いよくマスターの前に飛び出したミイラは、容器から液体を投げかける。


「・・・・」


静かに膝をつくマスター。折りたたまれるように道に倒れる。


「ぎゃはハ。ボス、見ました?折りたたみマットみたいでしたよ」


「ソの例えはわかりませんが、なるほど問答無用でしたね、抵抗さえないとは」


長身はメモを取り始める。


「豚ちゃんは家畜らシく動かずじっとしてればいいのさ」


長身は不快そうに見つめる。


「もしイうことを聞かないなら、こうやって」


ミイラは右足を地面から浮かせ、マスターの顔に向け足裏を向ける。


「むッ」


先に動いたのは長身のほうだった。振り返りすぐさま後ずさりする。


「ようこそ、楽しいゲームの世界へ。対戦キャラクターはわたくし、さすらいの忍者でございまぁす、にんにん」

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