123.教授ゆきたかの思惑
ヒデは一通りの仕事を終わらせた後、予感を感じて携帯を見つめた。
思った通り携帯は光始め、少しためらいながら電話に出る。
「はぁい、ハロー?えーっと」
「ゆきたかだよぉん」
「あ、、ああ。明子パパ昨日ぶりね」
「ゆきたかだってば!」
「・・・・あんた、たかゆき様の名前勝手に文字って名乗って不敬よ」
「でもあの時たかゆき様も了承してくれたじゃないか」
「ごり押しが凄くて反対できなかっただけでしょ!」
「いやぁ下の名前ってのはいいな、ひとくくりにされてるんじゃなく一個人を見てもらえているようなさ」
「私は元から下の名前しかないから共感できないわ、要件はこれだけ?アディオス」
「・・・・来たらしいじゃないか、南」
ヒデは携帯を片手に、目を左上右上、グルグル。少し黙っていた。
「明子も愛も占い師なんてやりたくない!ってんだから先方さんに調子が悪いって言って少し待ってもらうにしても限界があるわけでさ、ひょっとするとうちに南が突然現れてワシを、あっちょっとすまんな」
ゆきたかは電話越しに新たな通話を始める。
「あー、はいお世話になって。はい。わかります。天気予定と地震予定ですよね、はい。リース料を払って他国のお古を使うのも費用面や面子、技術力の無さが露呈して防衛面にも不安が、はい。わかりますとも。はい。ああ、あと夢部屋の話ですが、おお、身体能力も上がり、傷の治癒も上がったと。知力の上昇も見られたとおめでとうございます。これからもさらなる発展に貢献できればと、はい。はい」
電話が切れる音がヒデの耳に届く。すかさずヒデは電話を耳から遠ざけつつも流れてくる音に注目した。
「くっそ!!こいつら、明子も愛も・・・明恵も奴隷じゃないんだ!不老不死の件を早急にだと?ふざけるなよ!」
「あーら?反抗的?そんな姿私に見られたり聞かれたりしていいのかしらねえ?」
「もういいだろ、どちらの結末でも我らは絶滅しかない、それでだ。南がそっちに行ったんだろう?明子は無事か?」
「無事もなにも拍子抜け。自分を単なる一般人って思い込んでるというか、声が違うかったわ」
「たかゆき様ではない者に操られている形跡がないのであれば・・・記憶喪失?とはまた違うな、まぁたかゆき様がいない状態で動いていること自体、本来おかしいことだからな」
「でも」
「そうだ」
「あるとき感じた、たかゆき様がこの世界に来た気がした、気がしたんだ」




