122.ギニー
南は夢の中で景色を眺めていた。
「いやぁ、これ本当に凄いなあ。誰が思いついたんだろう。そういえば松本君が言ってたな、人間は脳が発達しすぎて寝ている間に無理している部分を補ってるとか、他の動物は消化のために眠るのがメインで、イカとかは消化ではなく進化のために眠るとかなんとか、植物は眠っているのがメインで、起きていることが人間でいう寝ている時間と思っていいとか。確かに眠りを制する者は・・・・世界を制するかもしれないんだなぁ」
景色を眺める南に妖精が声をかける。
「なーに独り言言ってんすか、似合わない」
「ひゃっ」
「あ、あぁ、ごめんなさいっす。言い忘れたことがあったっすから、言っておこうと思って」
「エチケットとしてノックぐらいしてください!」
「・・・それどうやるんすか。ったく。えーっと言い忘れたことは」
「あんたらのことを『ギニー』って呼ぶ奴には気を付けることっす。すぐ逃げるっす」
「ぎにー?」
「そう、ギニーちゃんとか言って言い寄ってくる奴はロクな奴じゃねえっす。言いたくはないっすが、あーー、うん。ギニーとか呼ぶ奴はあっしらの人口孤児の話に関係しているよくねえ組織なんすよ」
妖精はやや下を見ながらも南の顔を見て真剣に話す。
「人口孤児は悪いことだなんて、自分らの欲求が満たされてから追いやられて、あいつら根に持っていてもしかたねえっすよ」
妖精の横から声が聞こえる。
「姉ちゃん姉ちゃん、このフォルムどう?いいでござろう?」
「ぐえええええ、お前ボケ、アホ、虫を近づけるんじゃねえっすしね」
「でも先輩は虫かあ、ロマンあるよなって喜んでいたでござる」
「あっしは喜ばないの!そおのお、キショイ足バタバタさせんな」
「でも姉ちゃんカニは好きでござる?」
「・・・・あー。だめだ、あんたモテないわ。私は嫌ってるものに対して似たものがありますがそちらに対してはなんて糞糞糞、お前が正しいこと言うためだけの議論スライド組み立てだから却下」
「え、でも姉ちゃんの組み立てだって、足の多い生き物が嫌いって」
「うっせーな!虫が嫌いって言ってんだろ、そこに陸海空無視して足ワラワラ入れてくんなし!!!」
南が空気を読み、ゴキブリのほうに諭す。
「そうだよ、ゴキちゃん、妖精ちゃんに謝って」
ムッとした態度がわかる間でゴキブリの声が聞こえてきた。
「南ちゃん!虫とはすごいんでござるよ?宇宙人説もあるほど、人間の大きさだと車なんてノロノロに見えるスピードで走ったり、ジャンプ力も防御力も人間の武器じゃ歯が立たない可能性が・・・」
「じゃあなんでその大きさになって繁栄してないんすかね?動物は小さければ小さいほど燃費優先で心拍数や新陳代謝が早くて、大きな動物ほど寿命が長いのは??空気抵抗や重力ってどう働くんでしたっけ?」
「・・・・・絶対スゴイの作ってやるでございます!!」
「おい!怒りすぎで語尾間違ってるっすよ!」
手を叩き笑う南、二人のコントはまだ続く。ふと先に冷静に戻った妖精が南に再度忠告をする。
「あーーこほんっ。恥ずかしいところをお見せしたっすね、とりあえず、ギニー、ギニー!覚えて奥っすよ!」
「仲いい家族でいいね」
南の素直に出た言葉に妖精は強く思いを込めて話す。
「なぁに・・・いってんすか。あんたももう家族・・・ってかそうっすね。昔から家族じゃないっすか」




