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魔王様は手品師  作者: ゆたか
比企田天在編
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120/191

120.ヒデ3

ゆっくりと丁寧に扉を閉めるヒデ。右手は強く握りしめられ口元は少し緩んでいた。


自室へ入りアンティークな窓の前に立つと、ガラスに映った自身の顔の緩みに、より笑いが込み上げてきた。


「あっはっは、まさか南が有名な手品師になりたいなんてね」


「たかゆき様手品好きだったもんね、うんうん」


窓に映る笑顔は次第に冷静さを取り戻す。ヒデは窓に背を向け近くのテーブルに向かう。


「さて・・・と」


白黒の幾何学模様のテーブルクロスにポツンと置かれたPC。古い型のブラウン管モニターが緑色の英単語を映し出す。


PCの横には紙が置かれ、器用にキーボードを打ちながら合間に紙にも記入をする。


「〇〇/▲▲ 本日、異常なし。第4~6世代らしき人物、松本と接触。生殖器なし、保菌能力なし、偽薬によるプラシーボは経過を見て報告する」


手早く紙のほうにも手がのびる。


「〇〇/▲▲ 本日、異常あり。南と名乗るものと接触。声が別人のため、フェイクもありえるが、私にはわかる、あれは南。しかし、そうなると気がかりが・・・」


ヒデはハッとして手を止める。


「あーあー!やめやめ、推理や心配なんてしても意味ナーイジャン。とりあえず南とはこの距離を維持して、そうね、有名になりたいってのがやりたいことなら、やらせてみましょうか」


―――――


妖精はニコニコしている南の前にいる。今回夢の世界は少し青空に近い色を背景にしている。


「はぁー。むかつくっすね。自分の欲求が満たされそうだから快晴ってか?」


「大人しくしてたから早く早く!」


南は手招きして妖精を近づかせる。


「うっざ!今時子供でもそんなおねだりの仕方しねえっすよ・・・まぁ大人しくヒデと電話するならってヤクソク守ってはくれたっすからね」


妖精は背中を向け、そのまま南に話す。


「あっしが何者なのか、まぁそれより先に聞いておいてほしいことがあるんで言うっす」


南はゆっくり頷いた。


「あっしたちは人口孤児ってやつっす」


「人口孤児?」

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