12.馬車内
まおうさまはきほんいいひと
―――――馬車内
「コバ殿、馬車内は広いでござる。飲み物も用意できるでござるから何かいるものがあれば言うでござる!」
許可していないのに勝手に持ってきたカードマジック事典を見ながら魔王が言う。
「そういやさ魔王、この世界の人間たちの目的はなんなんだ?」
本を読んでいた魔王の手が止まる。
「・・・人間は非力で寿命も短いでござる。ある一部を除いて魔法も使えず食事もままならない」
悲しそうな顔をしながら魔王は話す。
「じゃあお前たちから食べ物を奪うのが目的か?」
「それもあるでござるが、魔法を使えない人間たちが力を欲しているのでござろう」
「??・・・・力を欲したところで生まれ持ったセンスかなんかなんだろう?」
「コバ殿、拙者たち魔族は元々魔族ではなく人間だったでござる」
「なに?!どうやって魔族になったっていうんだ」
「それは・・・また追々、何か機会があればその時に話すでござる。捕らえた魔族の血や肉、それで儀式を行い魔法を習得することが目的と聞くでござる」
「可能なのか?」
「なんとも言えないでござる。不安だから誰かが作り出した迷信を信じている可能性もあるでござるが・・・・」
「なんだかおっかねえ話だな」
馬車の中はいつもより暗い雰囲気になっていた。
「・・・・なので」
長く間が開いた後魔王が話し出す。
「拙者は魔力を取り戻したら、人間が、みんなが仲良く暮らせるようにしたいでござるよ」
小林は無言だったが深く頷いた。




