11.ティッシュ
―――――現在 決闘まであと1時間ほど
「さぁ準備完了だ」
黒いローブに身を包んだ小林、片手にはトランクケース。横にいる魔王は鼻にティッシュを詰めている。
「なあ、そのティッシュなんとかならないのか?回復魔法みたいなもんでさ」
「だめでござる、これから決闘なので無駄な消費は控えるべきでござる」
「もう結構時間が経ったと思うんだけど・・・」
「魔王様(笑)怪我をされている姿も凛々しいです」
「えっ、そ、そうでござるか?名誉の負傷でござるからな!」
「俺からしたらネズミ捕りにかかったネズミと同じだけどな・・・」
小林は続ける
「とりあえず今回教えたやつはとっておきだからな、なんにでも使える、だからこそ大事にするんだぞ」
「うーん、コバ殿はそう言うでござるが全然ピンとこないでござるよ」
「はは、まぁ後々こんなことにも使える、あんなことにも使えるって登場してくるからさ」
「そうでござるか、このサムチ・・・」
3人に近寄る足音と馬車の音。
「魔王様、お待たせいたしました。ドラゴンを手配いたしました」
部下のゴブリンが手綱を引いたドラゴンの馬車・・・龍車の登場だ。
小型のドラゴンとは言え、ワゴン車ほどのサイズ。生きた龍などもちろん見たことがない小林は驚いたようで、口を開けて止まっている。
「ああー!コバ殿(高音)・・・はっ!・・・ゴホン、コバ殿驚いているようだな。いつも驚かされているお返しができて嬉しいぞ(低音)」
ゴブリンは他のことでこちらに注目していなくて幸いだった。
あと、ロッドが横で笑うのを我慢して強烈な顔になっていたのは見なかったことにしよう。




