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魔王様は手品師  作者: ゆたか
比企田天在編
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109/191

109.南

「やっぱり納得できない!」


暗い部屋の布団中、明子が叫ぶ。


「ちょっと、みんなようやく眠りについたんですから!やめてもらえますか」


大部屋でいくつかは規則正しく・・・・2つほど雑に並べられた布団の中、明子の叫びに松本が返事する。


暗闇で顔は見えないが明子は松本と実を正確に引き当て、腕を引っ張り外に連れ出す。


「いてて、さすがの怪力・・・ってなんすか一体」


「納得できない、なんなんだよ、お前ら。なんでこうもペラペラと」


酒臭さが残る明子の横で眼鏡をかけた実は呆れてまとめに入る。


「松本君、私たち最初は貴方たち二人をビビらせて帰らせてやる、って実、なんなら真、お前らなにしてんだ・・・って私も、・・・大ちゃんまで!・・・・と言いたいようです」


松本は首をかしげる。


「つまりはこんなにあれやこれそれ、語って教育するつもりは」


「ねえよ。なんなんだよこれ」


明子は手に持っていないグラスを飲む仕草を繰り返す。


「なにって言われましても。とりあえず南を有名な手品師にする。その修行になるからって」


暗闇から声がする。


「確かに明子さんは有名だったし、俺らはブレーンみたいな扱いだったにん?でも手品で有名な人のところに弟子に行くとか、テレビのオーディションでも受けるだろう。普通。・・・にんにん」


「うわ、びっくりした。大先生いたんですか」


「そりゃお前、人間の目で見回りも大事よ、にんにん」


明子は実に手を出し、やれやれとポケットに手を入れた実。


受け取った缶酎ハイを手に明子は松本に詰め寄る。


「南は怪しい。普通じゃねえよ。なんか知ってんだろ?」

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