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魔王様は手品師  作者: ゆたか
比企田天在編
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105/191

105.麺文化

大ちゃんはプリンをペロリとたいらげると食器を片付け去っていく。


「近代化して食の世界も情報が錯綜してるって感じだね。さっき食べた豚骨ラーメンもちゃんぽんが先か豚骨ラーメンが先か、更にちゃんぽんを最初に作ったところはどこだ!ってなってるみたいだもんね」


「栄養満点で安くて美味しい安全なものを提供するのが飲食店、ってところから元祖〇〇だからうちが一番美味しいってマスコミ煽りの影響もあるかもー?当の本人たちは本家を争ってないのに俺らが勝手に情報でそう思ってるだけもありそう」


「確かに。そういえばラーメン屋で元祖〇〇って名前についていたお店、昔は多かったのに今は見ないね」


「元祖の元祖はどこか。昔からある商店街の台帳を生涯かけてかき集めたら真実に近づけるかもな」


「ひぇえ、やっぱり今でも経緯が『残る』ってことは凄いことなんだね」


大ちゃんは大きな壺と袋に入ったパンとクッキー?を持ってくる。


「ラーメンに関してはラーメンという名前になったのも最近だし、全国で豚骨・鳥ガラのラーメンが食べられるようになったのもインスタントラーメンの登場が大きいかもしれねえだな、大阪で昔豚骨ラーメンと言ったら、塩にんにくで、とんこつの臭みに慣れていない関西人のためににんにくで臭み消したれ!ってにんにくを入れた話と塩ちゃんぽんがそもそもあって、滋養強壮ににんにくを入れたりと。現存するレシピや伝承を調べるのも大変だぁ、小麦を団子にしてて食べていたのをこんとん、さくへい。それぞれ麺の形にしてうどんや素麺になった、そばも江戸時代には一般食になってるだぁ」


いつの間にかプリンを食べ終えた松本は食器をテーブルの端に置き、前のめりに壺を見る。


「こっちがまあ、匂いでわかるだろうけど味噌だぁ。こっちがナポレオンや大航海時代に食べられていた固いパンだぁ」


「焼きそばでも言ったがぁ、ソースってものにはかけて食べる味付けするものというイメージがあるだが、昔は飢餓に備えて液体の保存食を作っていたんではないか?って話おらぁ好きでな。マヨネーズしかり、カロリーやミネラル取るにはいいアイディアだっただぁ」


「先ほど頂いたのは人間の満足感を刺激する美味しく進化した食べ物」


「砂糖とかわかりやすいだぁよ。栄養素をなくすかわりに雑味をなくして純粋な甘みを出すことができる調味料としての進化。精製する前はミネラルなど栄養素が多い代わりに雑味があって癖がある。どちらも慢性的な栄養失調の病人に食べさせたらカロリー接種だけでも元気が出る薬だったんだ、食べても傷に塗っても治癒できるとされてるだぁ、菌から水分を奪い殺菌するそうだが、塩も同じ効果があり研究されてるだぁ。傷に塩を塗る言葉も治療のために民間療法でされていたものって話もあるだぁ」


南は痛そうな顔をして一応は話を聞く。


「効果がある場合だと塩を塗った意味があるんでしょうけど、やりたくないな」


「痛くて余計に化膿したり、塩を塗るときに他の菌が入っちまうと意味ねえだなぁ」


大声で笑う大ちゃん。

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