104.食べ物
一通りの料理を食べ、南と松本は満足そうにお茶を飲む。
「そういや飲み水も戦争して奪い合ったりしてたんだもんなぁ、あ、いや今もしてるから奪い合ってるが正しいか」
「そうなの?」
「水なんてお金出さずにタダで手に入るじゃん?って思いがちだけど、水って怖いんだぜ??」
「うーん??当たり前すぎて怖さがあんまりわからないなぁ」
松本がお化けのポーズをして南を脅す。
「そもそも汚染されている水ってものもあるけど、綺麗な水だからって油断はできない!!ふとした川や湖で脳を食べるアメーバがいたり、海水にはウイルスやバクテリア、寄生生物だっているんだぜぇ」
「ひぇ・・・・」
大ちゃんはプリンを3つ持ち、テーブルへとやってくる。
「あぁ、さっきはすまなかっただぁ。これ。前食べたプリンとは違って寒天じゃない美味しいプリンだよぉ」
大ちゃんが申し訳なさそうにプリンを差し出す。
「ああ。いえ大丈夫です。大ちゃんもその、熱い方なんだなって。はい。鬼の形相を初めて見たかもしれません」
南は両手を左右に揺すりながら平謝りする。
「それフォローしてるつもりなの?」
松本はプリンを受け取ると嬉しそうに食べ始める。
「あ、スプーンが冷凍されてたのか冷たい。お皿も冷たい。美味しいです」
「人間って不思議だあよ。このプリンも常温にすると食べれたもんじゃないくらい甘いのに、冷たくすると甘みを抑えて他のうまみが見えるんだぁ。少しでも冷たさを維持できるように食器は冷たくしてるだぁ、こう言ったひと手間の上に更に手間をかけだしたのは中世ヨーロッパあたりの貴族料理からだぁな。料理に割ける時間が増えたからできた料理はあるだよ。早く食べて早く労働に戻らないといけないからこの形になったんだって食べ物と、保存や解毒目的以外で手間をあえてかけた料理はわけて研究しているとこだあよお」
大ちゃんもプリンを食べながら話す。
「おらは料理が好きだから料理万能論なんて真忍には言われてるけんど、人類が他の動物より発展してきたのは、他の動物より食べられるものがそもそも多かったのもあるんだ、知らずに人間が食べるものを動物にあげて中毒死もあるから気を付けるだぁよ」
松本はプリンを食べながら器用にメモを取る。見かねた南は顔を横に振る。
はいはい、と不満げながら松本はスプーンを置き、メモをし始める。
「美味しく食べたりする工夫や保存方法を考えたりも、そもそも食べれる種類が3種類とかだと研究して発展しようがなかったでしょうね」
「んだんだ、食器の形の由来も調べると面白いだぁよ。ただし、人に話して面白いように誇張されてたり、端折られていたり、話半分で見たほうがいいものがある前提じゃないと駄目だぁ」
「パスタの労働者向け簡易ソースバージョンが焼きそばで、小麦の高騰で減らした麺の分、量を補うためキャベツや野菜を入れ始めたかぁ」
南はプリンを食べながら鬼の形相の大ちゃんの話を思い返す。
「ちゃんと聞いてくれてただぁな、ソースの焼きそば日本食なんだが、さっき言ってたのは大阪闇市で焼きそばが出来た説なんだぁ。ちなみに今は浅草のお店が大正時代から作っていた説がソースだけに濃厚なんだなぁ」
「・・・・おい!南!あ、いやなんでもないです」
「なぁに?つっこむとこあった?」
「ないです」




