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戦わずに世界を変えた男――教育と物流で“循環国家”を作ったら、いつの間にか大陸が一つになっていた  作者: 慈架太子


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148 宗教国家

アレクサンドから届いた念話は、西の大国に関するものだった。


《ガイル、西で少し厄介なことが起きているわ》


《西?》


《宗教国家、神聖ラトリアよ》


神聖ラトリア。


大陸西部に広大な領土を持ち、教会が国政そのものを担っている宗教国家である。


今回、最初に異変を掴んだのは冒険者ギルドだった。


神聖ラトリア各地の支部から、アンデッドの異常発生について報告が相次いだ。


一つの町ではない。


複数の都市、村、街道、墓地。


発生範囲が広すぎた。


各支部から情報を集めた冒険者ギルドは、これを緊急困難案件と判断した。


しかし、国全体で何が起きているのかを冒険者ギルドだけで調査することは難しい。


そこでアルデバラン王国の王宮へ緊急依頼が出された。


王宮は依頼を受け、三騎士団千百人による広域索敵を開始した。


ダークライト魔導公国を調査した時と同じ方法だった。


ただし、千百人はアルデバラン王国から一歩も出ていない。


複数属性を混ぜた索敵。


遠隔透視。


鑑定。


千百人から得られた情報は教導管理システムへ集約され、冒険者ギルドにも共有された。


その結果、異常発生の正体が見えてきた。


《端末を見て》


ガイルは教導管理システム端末を起動した。


最初に映ったのは神聖ラトリアの町だった。


通りを歩くスケルトン。


腐敗した身体を引きずるアンデッド。


逃げ惑う住民。


そこへ神官たちが現れた。


光属性魔法が飛び、アンデッドが倒されていく。


救われた住民たちは神官へ頭を下げていた。


教会は民を守っている。


映像だけを見れば、そう見える。


だが、ガイルは次の記録を開いた。


地下施設だった。


拘束された国民が運び込まれている。


床には魔法陣。


その周囲に立つ神官と、黒衣をまとった魔法使いたち。


やがて、一人の人間が動かなくなった。


しばらくして再び起き上がる。


だが、もう人間ではなかった。


ガイルの目が細くなる。


「教会が国民をアンデッドにしてるのか」


《ええ》


別の映像を開く。


アンデッドを作る。


町へ放つ。


そして教会が現れて討伐する。


民衆は教会に感謝する。


「酷い茶番だな」


ライアンが吐き捨てた。


アンジェラは何も言わなかった。


ガイルたち二十七人には戦う力がある。


王国三騎士団千百人にもある。


だが、それだけで軍事介入していい理由にはならない。


ガイルたち二十七人はアルデバラン王国の貴族である。


アレクサンドは侯爵。


外国で彼らが前面に出れば、王国による内政干渉と受け取られかねない。


三騎士団なら、なおさらだった。


だからこそ、王国は情報収集に徹していた。


ガイルたちは冒険者ギルドへ向かった。


ギルドマスターのバルドが待っていた。


「王宮から索敵結果を受け取った。こちらが想定していたより遥かに酷い」


バルドの前にも教導管理システム端末がある。


「この規模は冒険者ギルドにも手に余る。だからお前たちに頼みたい」


バルドはガイルを見る。


「神聖ラトリアへ行ってきてくれ」


正式なクエストだった。


「分かりました。受けます」


ガイルは即答した。


「現地で分かった仔細はこちらから王宮へ報告する」


「お願いします」


話は決まった。


イプシオたちが暮らしている村へ、ガイルたち二十七人が集まった。


突然の呼集に、十人の新人冒険者も集まる。


ガイルは神聖ラトリアで起きていることを説明した。


そして最後に言った。


「俺たちも同行する。ただし前には出られない」


イプシオが首を傾げる。


「どうしてです?」


「俺たちは王国貴族だからだ。外国で目立つとまずい」


ガイルは十人を見る。


「だから主導するのはイプシオ、お前たち十人だ」


十人の表情が固まった。


数日前まで冒険者ですらなかった。


「俺たちが……」


「そのために教えたんだろ」


ガイルは十台の教導管理システム端末を取り出した。


一人一台ずつ渡す。


操作方法もその場で教導した。


閲覧。


検索。


記録。


情報共有。


十人はすぐに扱えるようになった。


問題は二十七人だった。


目立たなければいい。


ならば姿そのものを隠せばいい。


ガイルがそう考えた瞬間だった。


周囲の魔力を身体へ重ねる。


存在感を薄める。


姿が揺らぎ、消えた。


「……ガイル?」


アンジェラが周囲を見る。


「いるぞ」


鑑定結果に、新しい魔法が表示されていた。


**隠蔽魔法――ステルス。**


「これだな」


ガイルは即座に二十七人へ教導した。


アレクサンド。


アンジェラ。


ライアン。


そして残る仲間たち。


次々に姿が消えていった。


二十七人全員が、何事もなかったかのようにステルスを発現した。


イプシオは黙ってその光景を見ていた。


もはや何でもありだった。


アレクサンドは教導管理システム端末を操作する。


新たに発現したステルスの情報と教導結果を登録した。


「報告完了よ」


十人の新人冒険者。


姿を隠した二十七人の貴族冒険者。


総勢三十七人。


ガイルが全員を見渡した。


「行くぞ」


転移魔法が発動する。


三十七人はアルデバラン王国から姿を消した。


目的地は西の大国。


宗教国家――神聖ラトリアだった。




転移した三十七人が降り立ったのは、神聖ラトリア東部の森だった。


街道から少し離れている。


ガイルたち二十七人は、到着するとすぐにステルスを発動した。


姿だけではない。


魔力の気配も可能な限り薄くする。


その場に残ったのは、イプシオたち十人だけに見えた。


《聞こえるか?》


ガイルから念話が届く。


《聞こえます》


イプシオが答えた。


《ここから先、俺たちは基本的に見ているだけだ。判断に迷ったら相談しろ。ただし最初から答えを求めるな》


《はい》


イプシオは仲間を見る。


エース、レビン、トレノ、スレット。


ベロニカ、ジリアン、エミリー、ハーレイ、アレッタ。


十人とも緊張していた。


当然だった。


冒険者として受けた最初の大きな依頼が、外国で起きている国家規模の異変調査である。


「まず索敵しよう」


イプシオの言葉に九人が頷いた。


十人が高速魔力循環を維持したまま、六属性を混ぜた索敵を広げる。


森。


街道。


その先にある村。


さらに遠くの町。


複数人の索敵結果をテレパシーで共有する。


《街道に人がいます》


《東から六人》


《冒険者みたいだ》


鑑定も重ねた。


武器を持っているが、犯罪者ではない。


十人は警戒を解かなかった。


情報を確認してから判断する。


やがて六人の冒険者が街道を歩いていった。


イプシオたちは森から出る。


最初に向かったのは、索敵で見つけた小さな村だった。


近づくにつれて異臭が強くなる。


ベロニカが顔をしかめた。


「何、この臭い……」


答えはすぐに分かった。


村の外れに人影がある。


一人。


二人。


十人以上。


歩き方がおかしい。


鑑定する。


イプシオの足が止まった。


「アンデッドだ」


スケルトンだけではない。


元は村人だったのだろう。


農民らしい服を着た者もいた。


十人は武器へ手を伸ばしかけた。


だが、イプシオが止める。


「待って。まず数を確認する」


索敵を広げる。


村の中にアンデッドが三十二体。


生きている住民もいる。


さらに教会らしい建物には神官が五人。


「住民がいる。バレットをばら撒くのは駄目だ」


「拘束する?」


エースが聞いた。


イプシオは少し考えた。


アンデッドに捕縛が有効なのか。


教わっていない。


教導管理システム端末を取り出した。


検索する。


アンデッドに関する記録は少なかった。


「ほとんど情報がない」


「なら試すしかないね」


ジリアンが言った。


十人は村へ近づいた。


最初に気づいたアンデッドが向かってくる。


「バインド」


土と風を混ぜた拘束が身体を包む。


動きが止まった。


「効く」


だが、別の一体は拘束されたまま腕を伸ばしてくる。


生者のように痛みで動きを止めることはない。


「拘束を強く!」


さらに魔力を重ねる。


完全に動かなくなった。


イプシオは端末へ結果を記録した。


アンデッドへのバインド。


有効。


ただし生者より強い拘束が必要。


その間にも別の個体が迫ってくる。


ベロニカが手を向けた。


「ホーリーバレット!」


光弾が胸へ命中する。


アンデッドが大きく後退した。


もう一発。


今度は頭部へ。


身体から黒い靄のようなものが抜け、アンデッドが地面へ崩れた。


十人が一瞬止まった。


「光が効く」


アレッタが呟いた。


《記録しておけ》


姿の見えないガイルから念話が届く。


イプシオは頷き、すぐに端末へ入力した。


実戦で得た情報を残す。


次に遭遇する誰かが同じことを一から試さなくてもいいようにするためだった。


その時。


村の教会から鐘が鳴った。


神官五人が走ってくる。


「皆さん、お下がりください!」


先頭の神官が叫んだ。


「アンデッドは我々教会が討伐します!」


住民たちが安堵した。


「神官様だ!」


「助かった!」


イプシオたちは動かなかった。


神官たちが光属性魔法でアンデッドを倒していく。


住民たちは頭を下げ、何度も感謝していた。


表面だけを見れば、教会が民を救った。


だが、十人は知っている。


教導管理システムに保存されていた映像を見ている。


アンデッドを作っていたのも教会だった。


ベロニカの手が僅かに震えた。


「よく、こんなことができるわね」


《まだ動くな》


アレクサンドの念話だった。


《私たちが持っているのは索敵で得た情報よ。現地では現地の証拠を集めるの》


イプシオが小さく頷いた。


戦うために来たのではない。


真相を確認する。


証拠を集める。


そして必要なら人を助ける。


新人冒険者十人の最初の大仕事は、始まったばかりだった。




教会の神官たちは、残ったアンデッドを一体ずつ倒していった。


住民たちは安堵している。


イプシオはその光景を眺めながら、神官五人を順番に鑑定した。


能力だけではない。


犯罪歴。


過去の行動。


アンデッドとの関係。


確認できる情報を教導管理システム端末へ記録していく。


五人目を確認したところで、イプシオは仲間へテレパシーを送った。


《この人たちはシロだ》


《本当に?》


ベロニカが神官を見る。


《アンデッドを作ったことを知らない。自分たちは本当に住民を助けていると思ってる》


五人に悪意はなかった。


教会からアンデッド討伐を命じられ、それを自分たちの使命だと信じている。


むしろ危険を承知で住民を守ろうとしていた。


イプシオは端末へ結果を登録した。


末端の神官は関与していない。


ならば、教導管理システムに保存されている地下施設の映像と合わせれば答えは見えてくる。


《上だな》


エースの念話にイプシオが頷いた。


《たぶん教会上層部だ》


疑いが確信へ変わり始めていた。


だからこそ、目の前の神官を敵として扱う理由はない。


十人は別のことを始めた。


先ほどアンデッドにバインドが有効だった。


そして光属性が強く作用することも確認できた。


ならば混ぜればいい。


ベロニカが光属性を練りながら拘束の形を作る。


「ホーリーバインド」


白い光の帯がアンデッドの身体へ巻きついた。


先ほどの拘束より明らかに強い。


暴れていたアンデッドの動きが鈍る。


ジリアンも試す。


ただ光で拘束するだけではない。


ピュリフィケーションを混ぜる。


「ピュリフィケーションバインド」


拘束されたアンデッドから黒い靄が浮かび、少しずつ消えていく。


「浄化しながら拘束できる」


すぐに記録する。


さらにエミリーが治癒魔法を組み込んだ。


「ヒールバインド」


光の帯が対象を包む。


これはアンデッドを倒すためではない。


負傷者を固定しながら治療するための魔法だった。


骨折した者。


暴れてしまう重傷者。


搬送中の患者。


使い道はいくらでも考えられる。


三つの新しい魔法が教導管理システムへ登録された。


十人は、すでに教えられるだけの新人ではなくなっていた。


自分たちで考え、新しい使い方を生み出し始めていた。


その頃。


アルデバラン王国の王宮では、別の動きが始まっていた。


国王オーキスの前に、宰相クレインと三人の騎士団長が集められている。


王国騎士団長アイク。


魔導騎士団長アッシュ。


近衛騎士団長ロックウェル。


オーキスは三人を見渡した。


「ダークライト魔導公国に続いて、今度は神聖ラトリアだ」


誰も口を挟まない。


「規模が大きすぎる」


オーキスは端末に表示された情報へ目を落とした。


アルデバラン王国の人口は、現在五千五百万人。


それに対して三騎士団を合わせても千百人しかいない。


「騎士団員が足りん」


アイクは驚かなかった。


いずれ、この話が出ると思っていた。


「三騎士団、それぞれ現在の百倍まで増員しろ」


オーキスは言い切った。


四人の返事も早かった。


「仰せのままに」


反対する理由はなかった。


アイクも以前から考えていた。


五千五百万人の国民を、現在の規模で守り続けることには限界がある。


アッシュも同じだった。


ロックウェルも王族警護だけを考えていればいい状況ではないと理解している。


クレインも異論はなかった。


問題は、どう増やすか。


だが、それも難しくない。


「教導は現団員にやらせます」


アイクが言った。


現在の騎士団員は教導スキルレベル五以上。


すでに数百人がレベル十へ到達している。


千百人が教師になれる。


「新しい団員は衛兵から募集すればよいでしょう」


アッシュが続ける。


衛兵が減れば、門兵や自警団から補充する。


そして空いた場所には、さらに新しい人材を入れる。


人はいる。


王国人口は五千五百万人なのだ。


資金にも困っていない。


ゴーレム馬車はすでに民間へ数百万台が出荷されている。


王国には莫大な資金が蓄積されていた。


装備。


施設。


給与。


教導。


どれを考えても、百倍への増員を妨げる理由はない。


オーキスは四人の意見を聞いた上で頷いた。


「ならば始めろ」


「はい」


決定した。


千百人だった三騎士団は、十一万人規模へ。


国を守る力そのものが、大きく変わろうとしていた。




三騎士団の増員は、その日のうちに動き始めた。


十一万人。


数字だけを見れば大規模な軍備拡張だった。


だが、アルデバラン王国にとって目的は明確である。


人口は五千五百万人に達している。


都市は増え、農地は広がり、物流網も以前とは比較にならない規模になった。


守るべきものそのものが増えていた。


ダークライト魔導公国では、国境を越えることなく千百人が広域索敵を続けた。


今回の神聖ラトリアでも同じである。


しかし、次も千百人で足りる保証などない。


募集はまず衛兵から始まった。


王国騎士団。


魔導騎士団。


近衛騎士団。


それぞれが必要な人員を選抜する。


衛兵の穴は門兵や自警団から補充する。


さらに新しい衛兵や門兵も募集する。


人材を奪い合うのではない。


空いた場所へ次の人材を入れ、そこでまた教導する。


その循環を作ればいい。


教える者にも困らなかった。


千百人の現役団員は、全員が教導スキルレベル五以上。


数百人はレベル十に達している。


一人の教師が何百人も抱える必要はない。


班を作り、教え、育った者を次の教師にする。


王国がこれまで何度も繰り返してきた方法だった。


王宮ではクレインが必要経費を確認していた。


「問題ありませんな」


オーキスが資料から顔を上げる。


「余裕は?」


「十分にあります」


ゴーレム馬車はすでに民間へ数百万台が出荷されている。


国内物流そのものを変えた商品だった。


そこから生まれる利益は莫大である。


農業生産も増え続けている。


食料もある。


土地もある。


人もいる。


十一万人の騎士を抱えたところで、国家財政が揺らぐ規模ではなかった。


オーキスは頷いた。


「ならば予定通り進めろ」


「承知しました」


決めた後に迷わない。


必要だから増やす。


それだけだった。


一方、神聖ラトリア。


イプシオたち十人は村を離れ、次の町へ向かっていた。


飛行は使わない。


目立つからだ。


街道を歩きながら、十人は教導管理システム端末で情報を確認していた。


ホーリーバインド。


ピュリフィケーションバインド。


ヒールバインド。


先ほど登録した三つの魔法には、すでに追記が入っていた。


《ホーリーバインド、王国騎士団にて再現成功》


イプシオが足を止めた。


「……もう?」


エースが端末を覗く。


さらに表示が更新された。


《魔導騎士団でも再現成功》


続いて、


《近衛騎士団、ヒールバインドの検証開始》


ベロニカが呆れたように端末を見る。


「さっき作ったばかりよね?」


《そうよ》


姿の見えないアレクサンドから念話が届いた。


《記録したからでしょう》


教導管理システムに登録された情報は、王国で共有される。


誰かが発見する。


別の誰かが試す。


成功すれば結果を追加する。


失敗しても、その理由を記録する。


知識は一人のものではなかった。


イプシオは少しだけ笑った。


「じゃあ、俺たちも続きを調べよう」


十人は歩き出した。


次の町が見えてくる。


だが、様子がおかしい。


門の前に人が集まっていた。


泣いている者がいる。


担架で運ばれている者もいた。


十人はすぐに索敵を広げた。


六属性を混ぜる。


鑑定も重ねる。


町の中。


生者。


アンデッド。


神官。


そして地下。


イプシオの足が止まった。


《地下に何かある》


《どのくらい?》


スレットが聞く。


《かなり広い》


十人で索敵結果を重ねる。


地下空間がある。


自然にできた洞窟ではない。


通路。


部屋。


さらに深い場所へ続いている。


その中に、多数の人間の反応があった。


動かない反応もある。


《教会の地下?》


ベロニカの声が硬くなる。


《位置的にはそうだ》


その時だった。


町の門が開いた。


中から神官たちが出てくる。


その後ろから運ばれてきたのは、一人の男だった。


片腕がなかった。


古い傷だった。


今回のアンデッド襲撃で失ったものではない。


神官が治癒魔法を使う。


傷口が光に包まれる。


だが、失われた腕は戻らない。


治癒が終わる。


男は頭を下げた。


「ありがとうございます」


神官は苦しそうな顔をしていた。


「申し訳ありません。私たちのヒールでは、これ以上は……」


悪意はない。


助けたいと思っている。


だが、できない。


イプシオたちは黙ってその光景を見ていた。


エミリーが小さく呟いた。


「治せないのかな」


その言葉に、ベロニカが反応した。


「今の私たちなら?」


誰も答えを持っていなかった。


教わっていない。


ならば、まだ知らないだけかもしれない。


姿を隠していたガイルたち二十七人も、そのやり取りを聞いていた。


アレクサンドは何も言わない。


答えを与える必要はなかった。


十人はすでに、自分たちで考え始めていた。





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