77話 好奇心
「それじゃあコウくん、どこにいこっか!」
「うーん、わかんない!」
「そっか〜! じゃあお姉さんのオススメの場所いく?」
「いく!」
コウくんは元気よく手をあげて返事した。
とても可愛い! きょうだいだからなんだけど、ヒカリちゃんに似てるところも凄く可愛い。
そんなわけで私『アリア』は、コウくんと手を繋いでゆっくり歩いている。
「あれなあに?」
「あれは、美味しいご飯を食べるところだよ?」
「じゃああれは?」
「あれは……人形劇だね?」
「にんぎょーげき?」
「うん!」
そういえば、初めてヒカリちゃんと下町遊びに行った時も路上で人形劇やってたな。
「見ていく?」
「ううん、みない!」
「そっか〜、見ないか〜!」
「だってみえないもん!」
「じゃあ他のところまわろっか!」
「ん!」
まぁ私が抱っこしても、大人たちに囲まれてたら見えないし、前列は前列で子供で埋まってる可能性あるし。
カルラが子供の時も人形劇興味示さなかったし、男の子ってそういうものなのかもしれない。
「おねちゃんあれは……あれ?」
「〜〜!」
今絶対ヒカリちゃんと間違えたよね! 超可愛い!
自分でもちょっと困惑してるのがまた可愛い!
「アリアちゃんって呼んでね?」
しゃがんで視線を合わせて呼び方を教える。
「ありあしゃん?」
「そう! アリアちゃん!」
「ありあしゃん!」
ニコリと笑うコウくんは本当に可愛い。ヒカリちゃんをそのまま小さな男の子にしたようだ。
「ねぇコウくん、コウくんは何が好きなの?」
「すき?」
「うん! これしてる時楽しいなって思うことある?」
「おねちゃんとおべんきょう!」
「お勉強が楽しいのか! 凄いね?」
この子、ヒカリちゃんと同じで将来有望か?
ヒカリちゃんに関しては全過程一年前倒しとかいうイレギュラーだったけど、この子はこの子で勉強楽しいってイレギュラー抱えてる。
カルラも見習って欲しいね全く。
「ならお姉さんと一緒に、お外でお勉強しよっか!」
「うん! する!」
ニコニコで元気ない返事をする。
無邪気な感じが本当にヒカリちゃんそっくりで可愛い。
そんなわけで少し彷徨いて商店街の通りに足を運ぶ。
不意にコウくんの足が止まり、とある製菓店を一点に見つめる。
「美味しそうだね?」
「うん、たべたい」
「じゃあ、お金のお勉強しよっか!」
「うん!」
そんなわけでコウくんが眺めていた製菓店の前まで行く。
「いらっしゃいませ、可愛いお客さんね?」
「あい!」
優しそうなご老人とコウくんが笑顔に挨拶。
「おや、そちらのお嬢さん……よく見たらアリア様じゃないかい?」
「……よく気付きましたね?」
初対面の相手かつ平民服で出歩いているからバレるとは思わなかった。
「貴女様が三歳くらいの時かね? メイ様とここに来たことがあるんだよ? 随分と大きくなったねぇ?」
「そうなんですね? すみません覚えてなくて」
「いいのよ? 今日は何を買いにきたんだい?」
「これ!」
簡単な世間話を終え、コウくんはなりふり構わず可愛い形のクッキーを指さす。
「じゃあコウくん、これ一枚いくらかな?」
「うーんとね、どーかさんまい!」
「うん! 大正解!」
「ありあしゃんもたべる?」
「うん! 一枚食べるから、銅貨何枚?」
「うーん…………」
必死に指を一本ずつ数えていく。
「ろくまい!」
「正解!」
「やったぁ!」
ぴょんぴょん跳ねて喜んでいる。
「じゃあこれ二枚下さい。銀貨で一枚でお願いします」
「ありがとう! じゃあ銅貨四枚のお返しだよ?」
「ありあしゃん、今のなに?」
「銀貨だよ?」
「ぎんか?」
「そう!」
もしかしてまだ銀貨を見たことがないのかな?
「もう少し勉強する?」
「する!」
「じゃあ、あそこの公園でお勉強の続きしよっか!」
「する!」
「二人とも気をつけるんだよ?」
「ありがとうございました!」
「した!」
ご老人に見送られて、目と鼻の先の公園まで歩いて行き、コウくんとお金のお勉強を始める。




