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46話 とても可愛い親友


「ただいま戻りました!」

「おかえりアリア! フィリアさんもアリアをありがとね?」

「こちらこそ、ヒカリをありがとうございます!」


 私とフィリアさんが屋敷に戻ると、すでにお母様は帰っており、でもヒカリちゃんの姿が見当たらない。


「あらアリア、その服もしかして!」

「うん、フィリアさんに買っていただきました!」


 私は自慢げにその場でターンする。


「凄く可愛いわ! やっぱり親って考えること同じなのね?」

「うふふ!」


 私とフィリアさんはヒカリちゃんも似た服を買ったことを知っている。


 でも、正直衝撃だった。予想を遥かに超える可愛さだった。


「ヒカリちゃん、出てきていいわよ?」

「はい!」


 ソファの後ろに隠れてたヒカリちゃんが、元気よくぴょんと現れる。


「あら可愛いわね?」

「かっっっっっわいいいいい!!」

「わわっ、アリアちゃん!」


 私は思わずヒカリちゃんに抱きつく。


 何これ超可愛い! 本当に可愛い! ずっと抱きしめていたい!


 ヒカリちゃんって黒色こんなに似合うの? 本当にお人形さんみたい! と言うかむしろお人形さんそのものだよ!


「可愛いなぁ、いいなぁ! 可愛いなぁ!」

「アリアちゃん、落ち着いて?」


 正直今日までことある毎にドレスだったから、脚を出すスタイルは少しはしたないって思ってた。


 でも、ヒカリちゃんがこんなに可愛いならそんなのどうでもよくなっちゃう!


「アリアちゃんも凄く可愛い!」

「ヒカリちゃんの方が可愛よ!!」

「なんで怒るの!?」


 もうダメ、ヒカリちゃんが可愛すぎる。


 凄い庇護欲がくすぐられる。


「そういえばカルラは?」


 ヒカリちゃんを抱きしめたまま、ソファに座っているお母様に尋ねる。


「カルラはね、家に戻る前にレオン様と会ったんだけど、ヒカリちゃんが照れてる姿見ちゃって、拗ねてるわ?」

「あぁ……」


 カルラ、流石にレオン様に勝つのは難しいかもね。


「でもこの服で遊びに行くの目立たないかな?」


 このゴシックって服、凄く可愛いけどかなり浮いている。


「それなら大丈夫よ? これとは別で平民の服を買ってるわ?」

「あら、本当に考えることは同じなのね?」

「フィリアさんも?」

「親って考えること同じなのね?」

「ね!」


 くすくすと笑うお母様とフィリアさん。親って子供に買ってあげたくなるものなのかしら。


「……」

「アリアちゃん?」


 あ、沢山買ってあげたいかも。


 ってなんで! ヒカリちゃんは親友で、私の子供じゃない!


「じゃあこの服って、なんのために買ったの?」


 買ってもらってなんだが、使い道がなければ服も可哀想だ。


「ユアン様とのデートとか?」

「ヒカリはレオン様とのデートかしら?」

「うーん」


 確かにドレスで出掛けるより堅実かもしれないけど、お忍びで下町に行くのにこの格好は浮いちゃう気がするな。


 特にヒカリちゃんに関しては、あまりに可愛すぎる。


 同じ女性として、劣等感とか抱く暇なんてないくらいに可愛い。


「他国に旅行に行く時とか『おしゃれしました』って服でいいと思うわよ?」

「脚出すのはしたないって思われません?」

「思わないわよ? 私もメロードと旅行に行った時、どこもポーンロンド王国と似たり寄ったりだったわ?」

「そうなんだ」


 まだ王妃教育も始めたばかりの十二歳だから、その辺の感覚も身についていない。


 他国に旅行行くなら、王妃にならなくても王妃教育の有り難さを身にしみることになるかも。


「あら、アリアはユアン様より他国の方が興味あるのかしら?」

「そんなことないわよ! ただ、自国しか知らない中で二人で行くのは不安だなって」

「まだ行くなんて決まったわけじゃないでしょ? その服もユアン様とのデートで着たらって言っただけよ? 一体どこまで想像したのやら!」

「お母様!?」

「ふふっ!」


 お客様がいる状況下でなんてことを言うの!?


 というかヒカリちゃんに他国なんて危ないところに行かせられない!


 私に抱きつかれているヒカリちゃんは気持ちよさそうに目を細めている。


 やっぱり、こんな可愛い子のこんな可愛い姿、今は自国の、レオン様とのデートだけに留めた方が良さそうです。

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