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43話 ヒカリちゃんの行先は


「それにしようかしら……」

「メ……メイ様……」


 ヒカリちゃん、現在メイ様の着せ替え人形になっています。


 すごーく恥ずかしいです。


 ユアンくんが向こうでアワアワしている姿がとても可愛いけど、そんなこと置き去りにするレベルで恥ずかしい。



 転生してはや十年。


 ちゃんと服が着れるようになってからドレスばかり着ていて、女性服に慣れたと思い込んでいました。


 でも、違いました。


「あ……あの……メイ様……!」

「ん、なぁに?」

「この服……」

「少しキツかったかしら?」

「い、いえ、そうではなく……」


 着てた服がドレスだったから羞恥心とか無くなっていたんだ。


 元男子高校生に、膝上のスカートは厳しいですよ……。


「ヒカリちゃんって、黒が良く似合うわよね? いつも黄色のドレス着てるから気づかなかったわ?」

「あ……ありがとうございます……」


 しかも、悔しいことに超似合う。


 ヒカリちゃんのビジュアルが良すぎるせいで超可愛い。


「はぁ……」


 中に元高校生の魂が入ってなければ完璧だった。


「ポーン王妃が治めていた当時は『女性がこんな服着るなんてはしたない』って言われてたのに、時の流れって不思議よね?」

「そうなんですか?」

「昔、歴史の講義で習ったことよ?」

「……」


 確かに前世でも昔の日本で『女性が顔を見せるのは恥ずかしいこと』みたいな風潮があったはず。


 それなのに僕が生きてた時代では顔どころか『男性用スカートが〜』って言う時代。


 

 時の流れって……凄いな……。


 ってヒカリちゃんまだ十歳! じじくさい考えはストップです!


「いつの間にか『脚を出すのははしたない』って言葉も聞かなくなったわね?」

「メイ様は聞いたことあるんですか?」

「えぇ! ヒカリちゃんよりずっと小さい頃だけどね?」


 懐かしい記憶を掘り起こしたのか、少し外の景色を見つめている。


 きっと当時は、こんなに平民用の服も充実していなかったのだろう。


「……」


 それなのに今の時代は、マージで現代日本みたいな服のバリエーション!


 この変貌は何!?


 男性のノースリーブ姿上等! 女性のミニスカート姿上等! って感じだよ!?


「さて、次で最後の一着!」

「は、はい」


 現実に戻ってきたメイ様が再び服を持ってきて、僕を試着室に放り込んだ。


 せっせと着替え、鏡の前の自分の姿を見つめる。


「ヒカリちゃん、可愛くなったな……」


 肩口まで伸びたピンクの髪、綺麗に整った顔立ち、メイ様が選んだ黒とピンクのレースワンピース。


 いわゆる黒のゴシック調だ!


 前世にいたら平気で人を恋に落としそう……。


「メイ様、こんな感じです」

 カーテンを開けて姿を見せる。


 目線だけカルラくんに移すと、すごーくほっぺが赤くなっている。


(可愛い少年め!)


「うん、これが一番ね!」


 何が決め手になったのかわからないが、嬉しそうに僕の頭を撫でる。


「これは私の奢り、まぁ平民服も私の奢りなんだけど、この服は趣味に付き合ってくれたお礼よ?」

「ありがとうございます!」


 まぁかなり申し訳ないないけど、無邪気に喜んでた方がメイ様もきっと嬉しいだろう。


「それじゃあ、今度こそちゃんと遊びに行く用の平民服見繕いましょ?」

「はい!」

「ほらカルラも行くわよ?」

「う……うん……」


 カルラくん、ヒカリちゃんに見惚れすぎてます。


 自分で言うのもなんだけど、ヒカリちゃんは罪な女になりそうな予感がします!





 そんなこんなで平民服の買い物が終わりました。


 メイ様によって見繕われた『とても可愛いのに没個性な服』。


 誘拐されないためには、目立たないことが必須と言わんばかりの、非常に良くできた可愛い自衛服。


 メイ様は満足そうで何より。


 用事もなくなり店を出ると、カルラくんはまだ少し物足りないのか「少しだけ遊びたい」と言い出した。


「どうするヒカリちゃん?」

「うーん」


 まぁ要するに、シャイな少年はヒカリちゃんとデートがしたいんだ。


 今のヒカリちゃん、ドレスを脱ぎ捨ててメイ様に見繕っていただいたゴシック調の服を着ている。


 そんな好きな子のレアな姿は一分一秒でも目に焼き付けたい。


 気持ちはわかるぞ少年。


「良いよ?」

「ほんとに!?」

「ん!」


 正直な話、レオン様の婚約者候補から切られた時の着地点は欲しい。


 もの凄く最低な思考だけど、ヒカリちゃんの人生は……え、今誰かと結婚する前提で話した?



 この僕が? 前世男の僕が? 誰か男性と結婚?



 そんな風にパニクっている中で、聞き慣れた声を一つ耳が拾い上げた。


「あれ、ヒカリ?」

「へ?」


 声の主の方へと振り返ると、そこにはーー


「ヒカリだ! え、凄く可愛いね!」

「おぉ、この子がレオンの言ってた伯爵の令嬢様か!」


 レオン第三王子と、レオン様と良く似た容姿の青年が一人、その人はーー


「メイ様こんにちは、このような場所でお会い出来るとは思っていませんでした!」

「久しぶりねユアン様? いつもアリアがお世話になっているわ?」


 アリアちゃんの婚約者候補の、ユアン・オリスティナ第二王子だった。

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