24話 怒られる時間はより楽しく
現在、四人で町に下りています。
流れで外に出ようと言ったものの、ヒカリちゃんに転生してから初めての下町。
その結果ーー
「レオンしゃま! あれなに!?」
「あれは『げきじょう』だよ? あそこで大きなお芝居をやるって父上が言ってた!」
「じゃああれは!」
「あれは『きょうぎじょう』だよ? この国の『ごえいきし』や『スポーツせんしゅ』が戦うんだって?」
レオン王子より僕の方が圧倒的にはしゃいでいた。
「レオンしゃま『こうえん』やってる!」
「本当だ、見ていく?」
「うん!」
人だかりが出来て、何をやっているのか見えないが、好奇心に任せて四人で何かの公演中の人だかりに突っ込む。
「失礼いたします」
「わわっ!」
近づいても全く見えなかったが、青年が僕を肩車してくれたおかげでないをしているのかよく見える。
内容は、国の王が、異国の平民に恋に落ちてしまい、その恋を実らせるために、ありとあらゆる手を尽くしてアプローチをかけるお話。
そして二人は結ばれ、二つの国は一つになり、新しい国が誕生しましたとさ。
を、人形劇でやってくれた。
「おもちろかった!」
「うん!」
正直内容は薄っぺらかったが、四歳児にそんな思慮深い話なんて理解出来ない。
(これくらいで面白いと感じれる感性でよかった)
「ねぇ、つぎはあそこいきたい!」
「どれ?」
そんなこんなで色々な場所を周り、全力で笑いあい、現在時刻十五時前。
「おなかすいた」
僕は今にも鳴りそうなお腹を抑える。
別にお腹なってもいいんだけど、なんでだろう、凄く恥ずかしいことに感じる。
前世ではお腹なって恥ずかしいなんて考えたこともなかったのに。
「なら、あのお店でお茶にしない?」
レオン王子が一番近いカフェのようなお店を指差す。
「でも、ヒカリおかねもってない」
持ってないどころか、この世界の貨幣を未だ見たことない。
「僕がもってるからだいじょうぶ!」
レオン王子はそう言ってポケットから色々な貨幣を取り出す。
「たりる?」
「わかんない。もっと勉強がんばればよかった」
(これ、おもちゃの可能性とかない……よね?)
勉強のために渡した偽物の貨幣だったら、本当に何も出来ないぞ?
「レオン様、お二人がお茶を楽しむ分には、銀貨五枚もあれば充分です」
「そうなのか! ならこれだけあればいいのか?」
「左様でございます」
「なら、入ろう! 二人はどうする?」
「我々は公務中ですので、近くで護衛を」
「わかった! じゃあいこう!」
「うん」
若干不安は拭えないが、僕が振り回していた今までと違い、レオン王子自ら『行こう』と言ってくれたのだ。
信じて一緒に入ることにした。
*
「いらっしゃいませ?」
中には可愛らしい店員さんと優しそうなおじさんがおり、子供が相手だからなのか、目線を合わせてわかりやすく対応してくれた。
そしてどうやら王子と伯爵の身分はバレてなさそうだ。
「おいしそう!」
中には前世で見たことあるお菓子が混じっており、知ってるはずなのに味の想像がつかないという不思議な感覚に陥っている。
「ヒカリちゃんはどれにする?」
「うーん……」
どれもこれも美味しそう。四歳児の目には全部光って見える。
なのでーー
「レオンさまとおんなじの!」
「え!?」
決められないので丸投げした。
「え……えっと、じゃあ…………はい!」
少しおどおどしながらメニュー表を彷徨い、ようやくメニューが決まる。
「ご注文はどうしますか?」
「これを二つください!」
「はい! お飲み物はどうしますか?」
「のみもの……じゃあこれ二つ!」
「かしこまりました、お待ちください!」
「はい!」
「ふふっ!」
「ヒカリちゃん?」
「なんでもにゃい!」
レオン王子の必死な様子が面白くて笑ってしまった、とは言えない。
(僕って、いつからショタコンになったんだろう)
「ヒカリちゃんって、お外はじめて?」
「うん! あまりいえからでない」
そんな思考は一瞬でなくなり、雑談に花を咲かせさす。




