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23話 外の世界へ


「どうして、来てくれたの?」

「どうちて……」


 なんか追い詰められてる? 来ただけなのに凄い目がキラキラしてるんだけど。


 とは言え、二ヶ月も放置していた婚約者候補が突然来たらびっくりするよね……。


 そんな状況下で会いにきましたなんて吐かす度胸はない。


 だから、前回家に来てくれたことを思い出して、あえてこう言った。


「あそびにきまちた!」

「っ!」


 嘘は言っていない。遊びに来たのは間違いない。


 しかしどうしてだろう。レオン王子、超目が輝いている!


「そっか、遊びに来てくれたんだね!」

「あいっ!」


 こうも目を輝かせると少し嬉しいな。


(というか、寧ろ他の婚約者候補は何してんだ? 一緒に遊んでないの? マジで何しにここに来てるの?)


 残念ながら、ヒカリちゃんにはお茶会という発想はないようで。


「何して遊ぶの?」

「そうでしゅね?」


 待ちきれない少年のようにウズウズするレオン第三王子。


「みんなとはなにちてるの?」

「みんなとは……お茶会、してる」


(これは、お茶会はダメだな)


 さっきのワクワクが嘘のようにしょんぼりしている。


「なら、まえみたいにあそびまちょ?」

「遊ぶって、どこで?」

「それはこれからきめるのよ!」

「ちょっ、ヒカリちゃん!」


 僕だってお茶なんて持ってきてないし、綺麗なお茶会より遊びたい。


 僕はレオンの手を引いて応接室を飛び出し、令嬢とは思えないはしたなさで、王城の廊下を駆け抜ける。


「ヒカリちゃんどこいくの!?」

「これからきめるっ!」


 何度行き先を聞かれても、決めてないものは決めてない。


 流れに身を任せて王城をを右往左往。


「……ここどこ?」

「ヒカリちゃん……」


 めっちゃ道に迷いました。


 いやマジ迷路。下の階に行けばどこか出られるかもと思ったけど、浅はかでした。


(敷地広すぎだろ! 見渡す限りの庭! テラスとかどこかにないの!?)


「外に出たいの?」

「うん……」


 どれだけここにいていいのかわからないけど、迷ってる間に時間が来そうな気がする。


「外に出るには『ごえい』がいるって父上が……」

「ごえー……」


 そうだ、ここは異世界で目の前にいるのは王家の人間。前世で言う天皇陛下とかその手の存在だ。


「ならごえーをさがしまちょ?」

「さがす?」

「えぇ! ごえーしてくれそうなひと!」

「でも……」

「だいじょうぶよ! もしだめなら……」


 もしだめならどうしようか。全然そこまで考えていなかったが……。



「いっちょに、おこられまちょ?」


 僕は悪い子になることを選んだ。


「ぷはっ! あははは!」

「へ?」


 何故か突然レオン王子が腹を抱えて笑い出す。


(そんな変なこと……言ったかな……?)


 子供ならそれくらいの悪いことしそうな気がするけど。


「そうだね、そうしよう!じゃあ、ちょっと待ってて?」

「うん……?」


 わけのわからぬままレオン王子はその場を駆け足で去っていき、一人取り残された。


(あの感じ、僕が馬鹿言って説教コースではなさそうだけど……ハッ!?)


 色々考えているうちに、自身の失言に気付いた。


(外って、そっちかぁ〜!)


 僕は庭で何かやる予定だったけど、レオン王子、多分王城の外に行こうとしてるな……。


「ヒカリちゃんお待たせ!」

「レオン様、本気ですか!?」

「もちろん!」


 二人の、青年と老年を連れて戻ってきた。


 若い方は相当困惑している様子だが、レオン王子はなんか凄いキラキラしている。


(これはもう……ね)


 今から失言でしたなんて言えないよ。


 そして老年の人は「仕方ないなぁ」と言わんばかりの慣れたような表情。


「陛下にはわたくしから事後報告しますので、町へ下りましょう」

「ありがとう!」

「コメンさん!」

「ゲン、これも任務の一つと思ってやりますよ?」


 青年と老年のやり取りを見送り、四人で王城を抜け出して町に下りる。


 ちなみに、王城の出口は現在地の真逆方向でした。


 マジ迷路……。

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