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22話 久しぶりの再会


「レオン様、明日はオーラライト公爵令嬢のーー」

「わかりました」


 父上が誕生日パーティを開いてから二ヶ月。


 毎日のように婚約者候補とのお茶会が入っており、正直気が滅入っている。


「王族として生まれた以上、責務は果たさなければならない」


 父上はずっと僕にそう言ってきた。僕もそれはあってると思う。


「お兄様たちも、こんなふうにやったのかな……」


 第一王子は十二歳で、婚約者候補が既に二人まで絞られている。


 第二王子は六歳で、婚約者候補の足切りが始まり出した。


 そして僕、レオン第三王子はまだ五歳。


 二年後に足切りが終わる以上、令嬢たちは必死な時期だ。


 だから、これだけ令嬢方のお茶会が入るのはしょうがないのだ。


 しょうがないのだけど……。


「退屈……だな……」


 誰もいない部屋に言葉を一つ落とす。


 毎日流行り物を着飾った令嬢に、似たり寄ったりの高級なお茶。


 そして、自分がどれだけ婚約者に向いているかのアピール。


「レオン様、婚約者様がお見えになられました」

「ありがとう、爺」


 父上の信頼する執事に連れられ、応接室の前の扉まで案内される。


(今日は、誰だっけ……)


 そんな事すら覚えていないまま作り笑顔を作り、扉を開ける。


 そこに座っていたのはーー


「あ、おひさしぶりです! レオンさま!」

「……ヒカリちゃん?」

「あいっ! ヒカリ・ウィンガートです!」


 眩しい笑顔を魅せてくれた、ヒカリ・ウィンガート伯爵令嬢。


 特別着飾ったわけでもない、流行に乗ってもいない、淡白な白のドレスなのに、誰よりも、特別輝いて見えた。


 きっとそれは、僕が今、一番特別に思っている相手だからだろう。





 時は王城へ行く数時間前。


「ヒカリ様、レオン第三王子に会いに行くのです。誕生日パーティで着た黄色いドレスが良いと思います」

「……これでいい」

「はい。ではこの白いドレスで……白っ!?」


 一緒にドレスを選んでいたシャルが突然声を荒げた。


「何故ですかヒカリ様! レオン王子に会いに行くのですよ? 流行りのものか特別なドレスにするべきです! 何故これを!?」

「アリアちゃんとあそんだときに、アリアちゃんがきてた色!」


 流石になんとなくで選んでいい相手ではないことくらいわかる。


 でも、そんな特別な相手でもないから、これくらいで丁度いい。


 それに、前来た時みたいにしっかり遊びかもしれない。その時に特別なドレスだと、汚れたショックが大きそう。


「……本当にこれでいいのですか?」

「これでいくっ!」

「わかりました。では、直ぐに着替えて出発ーー」

「おとぉしゃまとおかぁしゃまにみせるのが、さき!」

「……本当にレオン王子に会いに行くのですよね?」


 なんか凄い困惑してるけどいいとして、シャルの力を借りて白いドレスを身にまとう。


 そしてーー


「おとぉしゃま、おかぁしゃま!」


 事務室で仕事をするお父様とお母様にドレス姿を見せに行く。


「ヒカリぃ! 凄く可愛いよ!」


 お父様はペンを置いて椅子をたち、徐に僕を抱き抱える。


「ヒカリ、もしかしてこの間のアリアちゃんのドレスの色かしら!」

「おかぁしゃませいかいです!」


 お母様は僕のドレスの色の真意を一瞬で見破り「アリアちゃんに似て可愛いわよ?」と、今の僕には最上級の褒め言葉をくれた。


「今日は僕もお母様も忙しくて一緒に行けないけど、何かあったらシャルに言うんだよ?」

「あい!」


 僕は心配かけまいと元気よく返事をして「いってきます!」と手を振ってシャルと共に事務室を後にする。



 そして現在。


 流石にシャルを連れて来るわけにも行かないので、馬車の見守り兼自由時間を過ごしてもらい、一人で王城の応接室にいるわけで。


(凄いな……)


 子供というのは不思議で、とんでもなく大きな建物にいるのに、全然緊張を感じない。


 そんなことを考えていると扉が開き、レオン第三王子が入って来る。


(少し顔が、暗い?)


 そう気づいてしまったら、思わず自分から声をかけてしまった。


「あ、おひさしぶりです! レオンさま!」


 底抜けに明るいヒカリちゃんの声がレオン王子の顔を持ち上げ、驚いた様子で僕を見る。


「……ヒカリちゃん?」

「あいっ! ヒカリ・ウィンガートです!」


(そりゃずっと来てなかった人が突然来るんだもん。驚くよね?)


 そして、驚いたレオン王子が可愛いと感じたのは、きっと気のせいだ。


 そうでないと尊厳が……。

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