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218話 七年生の教室


 あれから少しお話しして、気付けば登校する時間。


 レオンと共に王城の正門へ向かうと、女性が一人馬車に乗り込もうとしているのを発見。


「ユウお姉様!」

「あらレオン、ヒカリちゃんの護衛は……ってヒカリちゃん!?」

「おはようございますユウ様!」


 乗り込む寸前に二人で呼び止め、しれっと同乗する。


「おはよう二人とも! しれっと乗ってきたわね?」

「嫌……ですか?」


 少し首を傾けて寂しそうに呟く。

 するとーー


「……レオン、今日は私がヒカリちゃんの護衛するわ? 羽虫一匹すら触れさせないわ」

「お姉様……」


 面白いほど簡単に陥落しやがった。

 ヒカリちゃん、どうやらある程度王族特攻持っているらしい。


 そんなこんなで馬車が動き出し、学園へ向かう。


「そういえば、ユウ様とエイ様は朝食をレオンとユアン様とご一緒しなかったのですね?」

「まぁね? 私はギリギリまで眠っていたいから、朝は部屋で一人よ?」

「なるほど」


 なんというか、前世の人間みたいな生活感だ。


 そんなこんなゆっくりお喋りをしていたら、あっという間に学園へ到着。


 転ばないよう馬車を降り、正門を抜けーー


「ねぇヒカリちゃん!」

「はい!」

「高学年の棟に行ってみない? というか来て欲しいな?」

「えっと……別に構いませんが……」

「やった! と言うわけでレオン、悪いけどヒカリちゃん借りるわね!」

「ちゃんと教室まで送り届けて下さいね? この距離でもヒカリは危ないんですよ?」

「わかってるわ!」


 何故かレオンにも許可を取り、高学年の教室がある棟へと一緒に向かう。


「結構近いですね?」

「まぁね? 生徒会室や職員室が低学年の棟にしかないから、あまり遠くするわけにもいかないのかもね?」

「なるほど……」


 大学みたいな学園も、移動教室が殆どない故にある程度敷地が余っていたりするのだろうか。



 そんなことを考えながらユウ様について行くこと数分。


「みんなおはよう! 第一王女様の到着だよ!」


 ユウ様所属の七年生の教室へ到着。

 なんとも主張の強い言葉と共に扉を開くと、教室にいた人がまばらに振り返る。


「相変わらず自己主張の激しい挨拶だねユウ! おはよう!」

「おはよう!」


 ユウ様の取り巻きらしき人たちが集まりだし、一瞬でコミュニティが出来上がる。


「ところで、隣の可愛い子は? はっ、まさかユウ、遂に誘拐をーー」

「するわけないでしょうが! ちゃんと学園の子だよ! 誰だと思う?」


 背中から僕に抱きつき、全員に見せびらかすようにゆらゆら揺れる。


「学園の子ってことは十二歳以上でしょ? この子本当に十二歳? どう見ても十歳くらいにしか見えないよね?」

「わかる! 幼くて可愛いよね?」

「……」


 ちゃんと十二歳なんだけど、そんなに幼く見えるのだろうか。


「でもユウが連れてくるほどの人って、誰かの婚約者候補とか」

「アリアちゃんは会ったことあるから違うし……」

「そもそも公爵は必然的にわかるわよね?」

「と言うことは……」


 辺の人が憶測を飛ばし合い、綺麗に一人の人物まで辿り着いた。


「もしかして……『ヒカリ・ウィンガート』!?」

「大正解! レオンの婚約者候補の天使ちゃんよ!」


 ユウ様がドヤ顔で僕の頭を撫で、全員に見せびらかす。


 そして僕に名前が聞こえたからか、聞き耳を立てていた人たちも続々と集まってきた。


「待って俺も見たい!」

「この子が噂の『ヒカリ・ウィンガート伯爵』かぁ! 超可愛いな!」

「凄い! 肌綺麗!」

「お団子ヘアー超似合う!」


 そしてあっという間に人集りが出来てしまった。


「ユ、ユウ様……!」

「こらこらみんな! ヒカリちゃんがビックリしてるから、少しだけ離れる!」


 知らぬ間にユウ様の裾を摘んでおり、その姿が一部女子の目をハートにさせていた。


 我ながら自分の破壊力の高さを思い知った。

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