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20話 大人たちの憂鬱


「まさかアリアがあんなに心を開くとは思わなくて」

「ヒカリもですよ! レオン王子に会いたいって言わないのに、事ある毎にアリアちゃんに会いたいって言うんですよ!」

「珍しいですね? お年頃王子様には憧れそうですが……流石にアリアはレオン王子の元に通っていますけど」

「気絶しちゃいましたからねヒカリ。引きずっていなければいいのだけど」


 父親二人は娘の話で盛り上がっており、一方母親二人はというとーー


「出産って痛いわよね?」

「ね? 私はもう直ぐだから緊張しちゃうわ?」

「お抱えの医師はいるの? うちはいないからいた方がいいのかしら」


 女性にしかわからない話で盛り上がりを見せていた。


「そうだメロード! レオン王子の婚約者候補の話をしましょ? ヒカリちゃんも候補者なのだし、興味を持つきっかけになってくれると嬉しいわ?」

「そうだね? ライバル関係とは言え、一切関心がないのはヒカリちゃんの為とは言えないし」

「あはは、言って聞かせます」


 オズワルドの苦笑いを皮切りに、レオン第三王子の話が始まる。


「レオン第三王子は今、殆ど全ての婚約者候補とほぼ毎日会っているそうで、アリアもその内の一人なのだよ」

「アリアちゃん真面目ね? ヒカリはどうして関心ないのかしら」


 残念ながら元男子高校生の転生者が理由なのだが、フィリアはそれを知らない。


「わざわざ謝りに家まで来てくれたのに……」


 オズワルドは心底不思議そうにしている。残念ながら元男子高校生(略



「そう、それが今レオン王子の婚約者候補が波紋を呼んでいる理由なんだよ」

「あら、波紋を呼んでいるのね?」

「フィリアさんも知らないのかい?」

「うちの子が興味ないとね、自然と情報が入らなくなっちゃうのよ……」


 メロードは若干呆れているが、ヒカリちゃんがあんな体たらくなのが悪いのだ。


「そもそも王家の人間が屋敷に訪れること自体珍しくて、それが誕生日パーティを開いた直ぐ訪れるという異例の自体でね」

「ヒカリが余裕を見せているように受け取られたのか」

「はい」


 メロードの答えを待つ前にオズワルドが現状を言い当てる。


「そして、レオン王子が、実はヒカリちゃんを気にかけているようなんだ」

「あらどうして? 誕生日パーティを除けば、一度しか会ってないのよ?」


 フィリアが徐に首を傾げる。


 接点なんて殆どない、下手したら忘れられていてもおかしくなさそうなのだがーー


「ありとあらゆる婚約者候補が来るのに対して唯一、レオン王子に会いに来ないヒカリちゃん。レオン王子は、婚約者候補の人に、ヒカリちゃんと関わりがあるか聞いているんだ。アリアにも同様に」

「あら〜!」


 フィリアは何か察したらしく、少し青ざめる。


「一体、レオン王子と屋敷で何をしたんですか?」


 最早若干引いているメロードである。


「僕はその場にいなかったけど、何かあったのかい?」

「え〜っと……」


 オズワルドの視線を気まずそうに逸らすフィリア。


「レオン王子とは、一緒に遊んだ……わね? お茶会とかも何もせず、元気に遊んでたわ」

「それだけかい?」

「えぇ……」


 そう。それだけなのだ。それだけなのだがーー


「それは、やっちゃったわね?」


 メイは察しがいいのか、頭を抑えて苦笑い。


 そう。婚約者候補と楽しくお茶会しながらおしゃべり。あるべき姿はこれで間違いないのだが、ヒカリはそれをしていない。


 レオン第三王子にとって、ヒカリと無邪気に遊んだ時間は、何度も繰り返されるお茶会とは違い、思い出に残ってしまった。


 思い出に、残ってしまったのだ!


「とりあえず、ヒカリにはレオン王子と会うように伝えておくわ? 王城から屋敷までそう遠くはないし」



 ヒカリちゃん、そろそろ重たい腰を上げなきゃいけない時が来たようです……。

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