↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
188/230

187話 愛嬌のある子


「とりあえず、今日は終わろうか」


 ハウ様が退出してから少しして、レオンが会議室に入ってきた。


「んん〜! おつかれさま!」


 大きく伸びをして冊子を鞄にしまい、身体をほぐすように立ち上がる。


「もっと厳しいものだと思ってたけど、楽しかったわね!」


 シャイナちゃんも立ち上がって身体をほぐし、達成感に浸る。


「私だけ……置いてかれる……!」


 一方スーちゃんは机に倒れ伏している。


「まだ初回でしょスーちゃん! わからないところは三人で頑張れば良いんだよ!」

「ヒカリちゃん……! そうよね! まだ初回よね!」

「あ、いつものスーちゃんに戻ったわ!」


 しかし、直ぐに元気を取り戻し、いつも通りの活気溢れるスーちゃんになった。


 そもそも躓いた理由が大したことじゃないし。



「さて、私はそろそろ帰るけど、二人は部活?」

「うん! ようやく完成が見えて来たから、出来たらスーちゃんとヒカリちゃんに着て欲しいな?」

「あれ、自分で着るんじゃないの?」


 自分で作った平民の服だし、てっきり自分で着るものかと思っていたが。


「三着作ってるのよ!」

「さ……凄っ……」


 まさかの僕とスーちゃんとシャイナちゃんの、全員分。


「それ着て三人でどこかに出かけて、沢山遊んで、レオンにお土産買ってーー」

「え、僕はお留守番かい?」

「あら、女子会に混ざりたいの?」

「それは混ざれないね? 残念だ」


 頬を掻いて苦笑いをしているが、そこまで残念そうにもしていない。


「因みにどんな服を作ってるの?」

「それは、出来上がってからの内緒よ?」


 唇に人差し指を立ててウインクを一つ。あら可愛い。



「そろそろ行くわ! レオン、ヒカリちゃんをお願いね!」

「勿論だよ、また明日ね」

「なら私もシャイナと行くわ! 二人ともまた明日!」

「スーちゃんもまたね!」


 シャイナちゃんが去った後を追うようにスーちゃんも会議室を去り、僕とレオンが残された。



「ヒカリはこのまま部活動?」

「かな? というか『新・音楽部』入るの本当?」

「本当だよ? 護衛とか関係なく部活動は入りたかったし」

「ならまぁ」


 そう言われたら納得するしかないけど、束縛させてないか心配だ。


「それに、婚約者候補と同じ部活動なら、僕に執着してくる侯爵も来ないと思うし?」

「そっちが本命の理由か」


 まぁ生徒会に篭りきりよりずっとマシだろう。

 そう思っていました。


「それが本命のわけないでしょ? 一割くらいだよ」

「じゃあ残りの九割は?」

「……」


 レオンは僕の存在を確かめるように視線を向け、無邪気な笑みを作る。


「好きな人と同じ部活が良いからかな?」

「…………なっ!?」


 僕は口をポカンと開けて固まり、一声だけ声が漏れる。


「さ、部活行こ?」

「……」


 そして僕は、レオンに引き摺られるように王城を後にした。



*



「遅かったわね二人とも……って、ヒカリちゃんどうした? 真っ赤っかだよ?」

「モ……モモさん……!」


 僕は気持ちの立て直しが上手く行かないまま、レオンと『新・音楽部』の教室に入る。


 中にいたモモさんが僕を見て不思議そうに首を傾げる。


「レオンが……レオンが!」

「え、何?」

「僕は何もしてないよ? 少し口説いただけ」

「何それ! 詳しく聞かせて?」

「モモさん!」


 すげぇグイッて来た。この人恋愛話好きなのか。


「王妃教育終わった後ーー」

「なんで話そうとしてるの!?」


 しれっと話し始めたけど、本当になんで話そうとしてるの?


「はいはいヒカリちゃん、そういうの良いから! レオン様、続き続き!」

「モモさんーーんぐっ!?」


 何故か口を抑えられ、レオンがツラツラと続きを話し出す。



「へぇぇぇ? ヒカリちゃんって「好きな人と同じ部活が良い」って言われただけで落ちちゃうチョロい子?」

「そんなわけないでしょ!?」


 何雌犬みたいな言い回ししてんだこの人は!


「じゃあレオン様だからときめいちゃった?」

「…………」

「ときめいちゃったか!」

「モモさん嫌い!」


 僕は思い切り頬を膨らませて睨んで見るが「小動物だ!」とあしらわれてしまった。



「私こういう愛嬌ある子好きなんだよね!」

「暑苦しい!」


 そして思い切りギュッとされた。


「良いなぁレオン様、こんな可愛い子婚約者にして独占して!」

「まだ候補ですよ、でもモモさんには上げません」

「ちぇ! ほら、レオンの下へおかえり!」

「なんですかその言い方!? わわっ!?」


 モモさんに背中を押されてレオンに突進し、レオンが抱きつく形で受け止める。


 なんかもうやりたい放題やられてる。


「おかえり?」

「ただいま……いつか復讐してやる……」


 アリアちゃんと同い年なんて関係ない。絶対に「ごめんなさい」って言わせてやる……!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。