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14話 池ぽちゃ


 そんなわけで、勉強お終いついでに、簡単な親睦会で僕たちは庭に来ている。


「凄いお庭ですね?」


 ナツが目を輝かせてあたりを見回す。


「お貴族様ってみんな持ってるの?」

「わかんない」


 僕も自分の家しか知らないが、全貴族が広大な庭を持ってそうなイメージはある。


「ルカ、言葉使い」

「はっ! 持っているんですか!」

「わかりません!」

「え? ヒカリ様も?」

「はっ!」


 流れに任せて敬語を使ってしまったが、伯爵が平民に敬語って、多分あまり良くないよな。


「ことば、むずかしい」

「ふふっ! ここでくらい良いじゃない崩したって! ね、シャル?」

「全く同意出来ません奥様」

「もぅ!」


 フィリアの言い分はシャルにバッサリ切り落とされた。


 まぁ四歳からそんなことをするのは良くないよな? 二人が貴族に謝ってタメ口使うわけにもいかないし。


「ヒカリ様、池にお魚さんがいます!」

「どれ?」


 ナツに誘われて、自分の庭なのに初めて見る池まで歩きにいく。


(やばい、ドレス歩き辛い)


 心の中で文句を吐いて、ようやくナツの隣に到着。


「はわわ!」


 そんな文字でしか見たことない声をあげて、池の中にいる魚に魅入る。


 そこには、前世でいうニシキゴイが泳いでいた。


「きれいだね?」

「うん! きれい!」

「僕も見たい!」


 二人で魅入っていたら、ルカも走って池までくる。


 その足音にビックリしたのか、魚はスイーっと遠くへ行ってしまった。


「あ、行っちゃう!」

「ヒカリ様危ないッ!」

「あっ!」


 僕は完全に魚に意識が吸い込まれており、去る魚に合わせて前に倒れ込む。


「ナツ!」


 咄嗟にナツの手を掴み、ルカがナツの手を掴み、私の体重を支えきれず『ドバァン!』と大きな音を立てて、三人揃って池に落ちた。





「ヒカリ?」

「ごめんなしゃい……」


 ちゃんと現場を見ていたお母様とシャルがいたお陰で、僕を庇うため一緒になって落ちちゃった事実がそのまま受け入れられた。


 これ、うちが悪い貴族だったら処分待ったなしだよな?


 ほんまにすまん……。


「二人ともうちの子がごめんね? ちょっとはしゃいじゃったみたいで」

「わたしはだいじょうぶです」

「僕もだいじょうぶです」


 平気と言うしかない相手ではあるが、僕ら三人は池に落ちたのに顔を見合わせて笑っていた。


「とりあえず、三人ともお風呂に入りましょうか?」

「「はーい!」」


 仲良く手をあげて、いつのまにかメイドが持って来てくれたバスタオルに身を包み、そのままお風呂に放り込まれた。



「落ちちゃったね?」


 僕は池に落ちたことを気にする素振りをせずにそのまま口に出す。


「ヒカリ様、あまり無茶はご遠慮下さい」

「ごめんなしゃい」


 シャル含む女性のメイドが三人お風呂に残っており、見事に全員僕に呆れている。


「ほら、目を瞑って下さい」

「んんー!」


 シャルに身体と頭を洗ってもらい、綺麗さっぱり汚れが落ちていく。


「はい落ちました。もう無茶はしないで下さい」

「わかりました!」


 何もわかっていない返事をして、一人お風呂に浸かる。


 ナツとルカはまだメイドに身体を洗ってもらっており、二人とも緊張しているのか、少し強張っている。


「ふふっ!」

「如何いたしました?」

「ううん、なんでもない!」


 こうやって何も考えず遊んで泥だらけになるの、いつぶりだろう。


 前世では気付けばインキャになってたし、運動なんてもっての外だったけど……。


 案外、楽しいものだ。


「これ、浸かっていいのかな?」

「どうだろう……」

「一緒に入ろうよ!」


 二人が風呂前でおどおどしているので、反響する声で誘う。


「じゃあ入る?」

「入ろっか」


 大きなお風呂に入ったことないのか、入浴しても落ち着かなさそうに固まっている。


 リラックスするには入浴が一番だけど、それは慣れ親しんだ場所や大きさに限るらしい。


「ふたりのいえには、おふろないの?」


 ここまでガチガチだとそれすら疑ってしまう。


「ママが魔法使えるから湯浴みはします」

「でも、こんな大きいお風呂ははじめてです……」

「そうなん……だ?」


 ん? 魔法と言いました?


 魔法が、あるんですか!?

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